リック・ペリー知事 AP
テキサス州のリック・ペリー知事は15日、職権乱用など2件の罪で同州オースティンの大陪審によって起訴された。次期米大統領選で共和党候補への2回目となる立候補を検討しているペリー氏にとって失点となりそうだ。
ペリー知事は、民主党員の地方検事が飲酒運転を認めたあとも辞任を拒否したため、この検事が担当する部署への予算を不正に差し止めた罪に問われている。
地方検事のローズマリー・レンバーグ氏が2013年4月に飲酒運転で逮捕されたあと、ペリー知事はトラビス郡の政治汚職の捜査を行う部署に対して予算750万ドル(約7億6700万円)の割り当てを拒否した。トラビス郡には州都オースティンも含まれる。ペリー氏は当時、「この部署の最高責任者は市民の信頼を失った」と述べていた。
ペリー氏の法律顧問であるメアリー・アン・ワイリー氏は予算の割り当て拒否について、「テキサス州憲法によってどの知事にも与えられた拒否権限に従って行った」と説明。今後も知事の行為が合法だったことを主張し続けると述べた。
サンアントニオの弁護士でこの事件の特別検察官に任命されたマイケル・マッカラム氏は、ペリー氏が問われている罪状が「非常に深刻な容疑」だと述べた。ペリー氏の弁護団と連絡をとっており、罪状認否の日程は週明け18日に合意される見通しだという。
マッカラム氏はここ数カ月にわたって、証人の呼び出しや証拠の提示を行った。知事側からは首席補佐官代理や法律顧問を含む側近数人が大陪審の審理に出席した。ペリー氏自身が証言のために召喚されることはなかった。
ペリー氏が問われているのは公的立場の乱用と公務員に対する強制という重罪だ。前者に対する刑罰は5年から99年の禁錮刑、後者に対する刑罰は2年から10年の禁錮刑。
ペリー氏の支持者は大陪審による起訴について、知事が民主党員の検事に反対する立場を取ったことに対する政治的な報復だと主張している。
ペリー知事はレンバーグ検事の辞任を求めていたが、検事が検事職にとどまったため、予算の割り当てを拒否した。ペリー知事には予算を含め、議会が承認した法令を拒否する権限がある。しかし、知事はレンバーグ氏を辞任に追い込むため、実際に拒否権を発動する前に発動をちらつかせたとして、リベラル系の監視機関が強制の罪で告発した。