貧しさのせいでおなかをすかせている子や、いつも1人でご飯を食べている子を地域で支えたい――。東京都豊島区で地元NPO法人が月2回開く「要(かなめ)町あさやけ子ども食堂」のオープンから1年余りが過ぎた。スタッフ手作りの夕食をにぎやかに囲むひとときは、孤立しがちな親子への支援にもつながっている。

 東京メトロの要町駅から、歩いて10分ぐらいの住宅街。築約50年の2階建て住宅に、子どもや親子がぞくぞくとやってくる。1階の和室と洋室にある四つのテーブルは、25人ほどの人ですぐいっぱいになった。貧困家庭に限らず誰でも利用できるので、近所の親子連れや高齢者の姿もある。

 「私、魚食べられないから欲しい人いる?」「余ったオレンジのじゃんけんしよう!」。子どもたちの元気な声が飛び交う。食事が終わると、子どもたちは庭の桑の実を取って食べ、追いかけっこや紙芝居を楽しんだ。最後は、ぞうきんがけの手伝いもした。

 食堂が本格的に始まったのは、昨年5月。経済的に厳しい家庭の子を支援するNPO法人「豊島子どもWAKUWAKUネットワーク」が運営する。1人で食事する「孤食」の子や、貧困でおなかをすかせた子を、食堂を通して地域の人たちと結びつけ、学習などほかの支援にもつなげるのが目的だ。法人は無料の学習支援教室も開いているが、そこに来ない子も、食堂ならなじみやすいと考えた。