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【プロ野球】

則本完封 男泣き

2014年8月16日 紙面から

2年連続で2桁勝利を挙げた則本

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◇楽天4−0ロッテ

 楽天の則本が今季6度目の完封で約1カ月半ぶりに白星を挙げ、新人から2年連続の2桁勝利をマークした。1安打無四球で9三振を奪い、二塁を踏ませなかった。打線は2回に小関の適時打で先制、中盤に加点した。ロッテは4連敗。

 小雨が断続的に落ちるコボスタ。楽天・則本が涙のお立ち台だ。2日の西武戦以来の先発で1安打無四球の完封劇。田中(現ヤンキース)が11年にマークしたシーズン6完封の球団記録に並び、球団初となる新人から2年連続2桁勝利を手にした。

 6月29日以来、47日ぶりの白星。長かった。視界がゆがむ。「ここ2カ月間は、本当にチームには申し訳なかったんで、こうしてここに立てて良かったです」。ワシ党の大歓声を受け、何度も涙をぬぐった。

 7回1死まで1人の走者も許さない。加藤の右前打で完全試合の夢は消えた。しかし、被安打はその1本。「自分も納得して投げた1球。打たれたことで完封できたと思うし、今は何よりも勝利がほしかったので」。逃した大記録の悔しさは、まったくなかった。

 屈辱の5連続KO。中継ぎ降格。自分に対する怒りが膨らみ、精神面はどん底に落ちていた。吹っ切れたのは「数日前」だった。三重中京大時代のチームメートから「見てる人は見ているから」と電話で激励され、気持ちを切り替えた。

 「投げたくても投げられない人もいる。それに比べたら、ちっぽけな悩みだと気づいた」。故障でリハビリを続ける田中や釜田らの姿が頭に浮かび、投げることのできる幸せを再確認した。

 星野監督も喜びを抑えきれない。「(完全試合を)やるなら、最後までやれよ。もったいない」と笑みを浮かべ、「大きいね。苦しんだ末だから」。もがき、悩んだ大黒柱は、一回り成長して復活の跡を残した。 (井上学)

 

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