広島−巨人 1回表2死、坂本(右)から左越えに先制本塁打を打たれ、うつむく広島・前田=マツダスタジアムで(久野功撮影)
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◇巨人7−2広島
巨人が後半戦初の3連勝。1回に坂本の11号ソロで先制し、2回は高橋由の5号ソロで加点。3回は橋本と高橋由の2点打で4点を奪った。内海は8イニングを被安打12の2失点で3勝目。広島は前田が今季最短3イニング6失点の乱調で6敗目。
雨にも負けず、一気に畳み掛けた。巨人打線が広島のエース・前田を完全KOだ。1回、3番・坂本の11号ソロで1点を先制すると、2回には5番・高橋由が右翼席への5号ソロ。一発攻勢だけではない。3回には橋本と高橋由が中前へ2点適時打を放って4得点。苦手にしていた赤ヘル軍団の大黒柱に引導を渡した。
「1、2点目が非常に価値のある本塁打。追加点も大きかった」と原監督。後半戦初の3連勝を飾っただけに、試合後の表情には自信がみなぎる。前田からの今季初本塁打に坂本も「甘い球がきたらいこうと思っていた」。同い年のライバルから放った快打の味をじっくりかみしめた。
強い雨が降り続き、5回の攻撃中には48分間も中断した一戦。ナインに悪天候を気にかけるようなそぶりは、まったくなかった。状況は相手も同じ。雨脚やぬかるむマウンドを明らかに嫌がった前田とは対照的に、目の前に起きたできごとを淡々と受け入れていた。
「条件はみんな一緒なので…」と高橋由。心にあったのは先手必勝の思い。雨中の試合を制するための鉄則を確認し、動揺を隠せない前田が投じる甘い球を各自が見逃そうとしなかった。全員で難敵を攻め立て、攻略した勝利。原監督も「うまくスクラムを組めた」と目を細めるばかりだ。
5回には4番・阿部も12号ソロ弾を放ち、久々のクリーンナップ本塁打そろい踏み。打線はどん底状態から完全に脱した。しかし、原監督は手綱を緩めない。「気持ちをまたフラットにして戦いに挑みたい」。この勢いで、セ界のライバルを一気に引き離しにかかる。 (川越亮太)
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