松屋:牛めし380円 脱デフレの動き

毎日新聞 2014年07月17日 22時01分(最終更新 07月17日 23時21分)

牛丼3社の販売価格
牛丼3社の販売価格

 大手牛丼チェーンの松屋フーズは17日、肉を熟成させるなどした「プレミアム牛めし」を22日から発売すると発表した。価格は税込みで380円。新商品を発売する店は定番の「牛めし」(並盛り290円)の販売を終えるため、品質を高めつつ実質90円の値上げとなる。低価格競争を繰り広げてきた牛丼業界にも「脱デフレ」の動きが目立ち始めた。

 「別次元のうまさ、究極の牛めしだ」。東京都内で記者会見した緑川源治社長は味の改良を強調し、従来より高めの価格設定に理解を求めた。顧客から「単価が上がっても良いものを食べたい」との声が多く寄せられ、品質で競争できる環境が整いつつあるという。

 「プレミアム牛めし」は、従来の冷凍牛肉ではなく、冷凍しないぎりぎりの冷蔵状態で熟成したチルド肉を使用。「肉に含まれる酵素の働きで柔らかさやうまみが増した」(同社)という。冷凍より仕入れや管理にコストがかかり、価格に反映した。22日に発売し、7月中に全国973店舗のうち首都圏を中心に621店で導入する予定だ。

 牛丼大手3社では消費税が5%から8%に引き上げられた4月、牛丼並盛りが280円だった価格設定の横並びが崩れた。

 吉野家は300円に、松屋は290円に値上げした一方、すき家は270円に値下げして戦略が分かれた。業界ではアルバイトの人件費上昇などで値上げ圧力が高まっている。【竹地広憲】

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