教育:発表する子、応用が得意 横浜市学力・学習状況調査

毎日新聞 2014年07月17日 18時52分(最終更新 07月17日 18時56分)

横浜市学力・学習状況調査の一部の問いと回答
横浜市学力・学習状況調査の一部の問いと回答

 授業中によく発表する子供は応用問題が得意−−。横浜市が独自に実施している「横浜市学力・学習状況調査」で、こんな実態が浮かんだ。学年が上がるに従い傾向が顕著になっており、市教委は低学年から積極的に発表できる環境作りについて検討する。

 調査は2006年度に開始。市立小中学校の全児童生徒が対象で、今回は昨年11月から今年2月にかけ計約27万人が国語(小1〜中3)、算数・数学(同)、社会(小3〜中3)、理科(同)、外国語(中1〜中3)のテストを受け、生活・学習意識のアンケートに答えた。

 調査結果によると、「授業で自分の考えを発表していますか」の問いに、「よくしている」と回答した小6児童の応用問題正答率が61.6%だったのに対し、「していない」と応えた児童の正答率は44.7%と16.9ポイントの差が出た。小1児童では「していない」と「している」の差が11ポイントで、学年が上がると差が大きくなることが分かった。

 また、中学生の自宅での学習時間が減少傾向にあることも判明。1日2時間以上勉強する生徒は、08年度の調査と比べると、1年生は23%から11%、2年生は30%から12%とそれぞれ落ち込んだ。スマホの普及が影響している可能性があるという。

 その他、朝食を毎日食べている児童の正答率が高く、睡眠時間が6時間以内の生徒の正答率が低いなど、生活習慣が学力に強く影響していることもうかがえた。

 市教委は「家庭での時間の使い方が学力にも関係している」と分析。今後、家庭との情報共有を進めながら、低学年から学習意欲を高める取り組みが必要と結論づけた。

 市教委指導部の担当者は「調査結果を学校現場で共有し、今後の指導に還元したい」と話している。【飯田憲】

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