ニューヨーク=中井大助
2014年8月16日07時21分
米ミズーリ州で、警察官が黒人少年を射殺したことをきっかけに、住民の抗議活動が広がっている。一部が暴徒化し、地元警察が催涙ガスやゴム弾で鎮圧を試みたところ、「暴力的だ」と批判が拡大。休暇中のオバマ大統領も緊急会見し、冷静な対応を呼びかけた。
きっかけとなった事件は、9日午後、同州セントルイス郊外のファーガソンで起きた。黒人のマイケル・ブラウンさん(18)が警察官に撃たれて死亡。AP通信などによると地元警察は「銃をめぐる争いがあった」としているが、ブラウンさんが武器を持たず、「両手を上げていた」との目撃証言も出たことから、警察への抗議行動が始まった。10日夜には一部住民が暴徒化し、コンビニエンスストアで略奪、放火した。
抗議は11日以降も続き、警察は住民らの一部を逮捕。鎮圧のために催涙ガスやゴム弾を何度も撃った。迷彩服を着た重武装の警察官が、穏やかな抗議活動の参加者にも銃口を向ける映像や写真が流されると、「行き過ぎだ」という声は全米に拡大。警察が当日の詳細な経緯を説明していないことも批判を浴びた。
警察はメディアなどにも威圧的な行動に出ている。13日には現場の様子を動画撮影してインターネットで公開したセントルイス市議や、ファストフード店で記事を書いていた記者2人を逮捕。カメラを設置していたテレビ局関係者に向け、催涙ガスを放った。
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朝日新聞国際報道部
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