大阪市営地下鉄:通勤混雑「森」で癒やす…本町駅連絡通路

毎日新聞 2014年08月16日 08時10分(最終更新 08月16日 11時07分)

地下鉄本町駅構内図
地下鉄本町駅構内図

 大阪市交通局は、乗り換え客が多い市営地下鉄本町駅(大阪市中央区)の連絡通路を来年度、植栽や照明、音響効果を使い、森の中をイメージした「癒やしの空間」に一新する。市立大医学部の協力を得て、疲労医学の見地から通勤客らの疲労軽減を目指す珍しい試みで、癒やし効果が確認できれば他の駅にも広げる方針だ。

 ◇「そよ風」空調、植栽など設置検討

 本町駅はコの字型に御堂筋線、四つ橋線、中央線の3ホームがあり、乗り換え客が多い。今回は、御堂筋線と中央線のホームを結び、1日平均7万8000人が使う約60メートルの連絡通路を対象にする。交通局は今月、市立大医学部と協定を締結。助言を受けながら、無機質なコンクリート壁で囲まれた通路の天井、壁、床を改修する。

 具体的には、そよ風や温度・湿度の変化を表現する空調▽視覚や嗅覚に働きかける植物▽木漏れ日や朝昼晩の変化を感じられる照明▽せせらぎの音響を伴う水路−−などを検討している。

 市立大医学部の梶本修身特任教授(疲労医学)は「照度や温度が変わらないオフィスなどに長時間いることが現代人の疲労の一因だ。木漏れ日、そよ風、温度・湿度や音の『ゆらぎ』がある森に、人は心地良さを感じる」と話す。自然環境に近い仕事場などには、不眠症やストレスを軽減する効果があると医学的に確認されているという。通路の効果はアンケートなどで検証する。

 交通局鉄道統括課は「多忙な通勤客が癒やしを得られるよう工夫をしたい」と話している。【重石岳史】

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