本書「プロローグ」より抜粋
人は無意識に、前世で生きたところを訪ねることがよくあります。
初めて訪れた所なのに、なんだか懐かしい気持ちになったり、
何気ない場所で不思議と切ない気持ちになったり、時にはデジャブと
言われるような以前見たような風景に出会ったり、または一度だけでなく
何度もその国を訪れたり……そんなことは良くあるのかもしれません。
なぜそこに行くことにしたのでしょう、
または、なぜそこに行くことをためらったのでしょう。
明確な理由は分からないかもしれません。
ただなんとなく楽しそうだから、ただなんとなく気が進まないから……
でも、その気持ちの奥にある古い記憶を思い出してみませんか。
何故ならそこには大切なものが隠されている可能性があるからです。
私はいわゆる「前世の記憶」を旅を通して追体験しました。
それまで私は前世にそれほど興味はありませんでしたし、
そういったものを体験する特別な能力もありませんでした。
むしろ前世などというものは、若いころに夢見る幻想だと思って
いました。
では、特別な能力がなかった私がどうやって前世を思い出したのか。
そして、それがなぜ前世の記憶だと思ったのかをこの本で
ご紹介したいと思います。
そしてさらに面白いことに、私にとってこの前世を思い出す体験は、
それまで現実に抱えていた目の前の問題を解決する手掛かりにも
なったのです。
どういうことかというと、例えばある前世を思い出すことにより
それまで分からなかった、今の人生の生まれてきた目的、
現在の人間関係やその背景などが理解できて、目の前の問題の意味が
納得できたのです。
つまり、今の自分が何度も生まれ変わりながら、それぞれの前世での
人生体験を通して、その時の感情や考え方を今に持ち越している――
そのことに気が付き、自分の意識が変わっていったのです。
そうして意識が変わると、そこから派生している目の前の現実も変わります。
なぜかというと、自分の周りの現実は自分の意識が影響しています。
つまり、自分で創造しているからです。意識を変えることで
自分の状況が変わってゆくのです。
何気ないきっかけで出かけた旅は、実はとても大切なメッセージや
問題解決の鍵が隠されているかもしれません。
旅を通して、時空を超えた遠い昔の自分を体験してみませんか。
もしあなたが、旅を通して前世を思い出してみようと思われたら、
わたしの体験が参考になるかもしれません。
この本で知っていただきたいのは、特別な能力もなかった私が重要な
前世を知ったきっかけ、そしてその記憶を確認するために行った
スペインへの旅、前世を思い出す体験で何が起きたかなどです。
さらに、この体験をもとに、だれにでもある日常の中でその鍵を探す
ヒントなどもお伝えしたいと思います。