2014年(平成26年)08月15日(金曜日)
社説・論説
東京と地方では、いまや視点が異なります。北海道から沖縄まで、各新聞社の社説・論説を読み比べてみませんか。
「社説」【北海道新聞】
きょうは69回目の終戦の日である。深い憂慮を持ってこの日を迎えることになった。安倍晋三政権は、憲法9条の下で禁じられてきた集団的自衛権の行使を解釈変更で容認した。時の政府の判断次第で、海外での武力行使が現実味を帯びる。専守防衛の基本理念を変容させ、わが国の背骨である平和主義を揺るがしている。こ・・・[続きを読む]
「社説」【河北新報】
きょうは69回目の終戦記念日。多くの人が不安感を募らせつつ、平和と向き合うこの日を迎えたのではないか。この1年、平和をめぐる景色は大きく変わった。国際的な秩序が揺らぎ、世界は安定から緊張に向かっている印象だ。収束を見通せぬ東欧、混迷を極める中東の情勢しかり、攻勢を強める中国、挑発を続ける北朝鮮・・・[続きを読む]
「社説」【東奥日報】
20世紀は「戦争の世紀」と呼ばれる。それだけ世界中で絶え間なく戦いが繰り広げられ、多くの犠牲者を出したということだ。では、われわれが生きるこの21世紀前半をどう表現すればいいのだろうか。イラク戦争に始まり、アフガニスタンやシリアでの内戦、南スーダンでの紛争、中国新疆ウイグル自治区での大規模テロ…と、・・・[続きを読む]
「時評」【デーリー東北】
GDP大幅減構造的要因を直視せよ(8月15日掲載)景気回復のテンポに変調が生じつつあるのではないか。4〜6月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、前期比1・7%(年率換算で6・8%)の大幅減となった。2四半期ぶりに拡大基調が途切れ、一転して大幅なマイナスとなったのは、消費税増税前の駆け込み需要で高・・・[続きを読む]
「社説」【秋田魁新報】
「8月15日」が再びやってきた。この日が持つ意味は今夏、とりわけ重い。安倍政権が先月1日に集団的自衛権の行使を容認、「戦争ができる国」へと強引に方向転換させて以来、初めての終戦の日だからである。先の大戦ではあまたの日本人やアジアの人々が犠牲となった。その深い反省に立ち、「二度と戦争をしない」と・・・[続きを読む]
「論説」【岩手日報】
「私は九死に二生を得たのです」11歳で艦砲射撃を経験し、東日本大震災津波でも被災した釜石市の女性が、津波体験集「3・11その時、私は」に寄せた手記の一節だ。第2次大戦末期の1945年、連合国軍の艦砲射撃で壊滅した同市。戦争の記憶を継承する取り組みは、震災後も地道に続く。同市では戦争体験者らが同・・・[続きを読む]
「論説」【福島民報】
【終戦記念日】不戦の誓い新たに(8月15日)きょう15日は69回目の終戦記念日だ。各地で鎮魂の祈りがささげられる。来年は終戦から70年目を迎える。大きな節目の年を前に、尊い犠牲の上に築かれた平和の重さをかみしめ、不戦の誓いを新たにしたい。本紙の読者投稿欄「みんなのひろば」に「平和への願い」のテ・・・[続きを読む]
「社説」【福島民友新聞】
69回目の終戦の日を迎えた。戦没者に哀悼の意を表しながら、平和の尊さをかみしめたい。第2次世界大戦での旧日本軍兵士の戦死者は約230万人に及び、県出身者も約6万7000人が亡くなったとされる。大戦の中でも、「ガダルカナル島の戦い」は有数の激戦とされ、県出身者の戦死者は約4000人といわれる。県・・・[続きを読む]
「論説」【茨城新聞】
猛暑のさなか、69回目の「終戦の日」が巡ってきた。あの戦争で亡くなった人々を追悼し、過去と向き合い、戦争の惨禍が二度と繰り返されないよう誓いを新たにする日である。今年は戦後の繁栄を支えてきた平和主義が大きく揺らぎ、この国がどこへ向かおうとしているのか、多くの国民が確たる展望を持てないまま、その日を・・・[続きを読む]
「社説」【神奈川新聞】
69回目の「終戦の日」が巡ってきた。戦争の悲惨さ、反省を語り次ぐ体験者が少なくなる一方で、安全保障政策は大きな転換点に立つ。「戦争ができる国」へ向かう一連の動向に危機感を持ち、今こそ70年近くも「武力行使」の抑止となってきた憲法9条の役割を再認識したい。憲法を踏みにじる暴挙−。ことしの長崎平和・・・[続きを読む]
「社説」【信濃毎日新聞】
内閣府が発表した4〜6月期の国内総生産(GDP)速報値は実質で年率換算6・8%のマイナスとなった。落ち込み幅は東日本大震災が起きた2011年1〜3月期(年率6・9%減)以来の大きさだ。4月の消費税率引き上げの反動減は、ある程度は覚悟していたがこれほどとは—。そう受け止めた人が多いのではないか。・・・[続きを読む]
「社説」【新潟日報】
終戦の日平和の理念を確かめよう69年がたった。きょうは「終戦の日」である。日本人、そしてアジアをはじめ各国の戦没者に哀悼の意をささげ、平和を願う日としたい。世界からは砲声と硝煙、嘆き悲しむ人々がなくならない。米軍はイラク空爆に踏み切り、ウクライナやパレスチナ自治区ガザで血が流されている。日本政・・・[続きを読む]
「社説」【中日新聞】
発掘された戦没学徒兵木村久夫の遺書全文は繰り返し読むことを迫ります。そして、八月十五日。不戦の誓い新たなれ、と祈らざるを得なくなります。戦没学徒の遺稿集「きけわだつみのこえ」(岩波文庫)の中でもとりわけ著名な京大生木村久夫の遺書は、実は哲学者田辺元「哲学通論」(岩波全書)の余白に書き込まれた手・・・[続きを読む]
「論壇」【伊勢新聞】
政界は誠に静かな夏で推移したが、安倍首相が全国戦没者追悼式の式辞のなかでアジア諸国に対する加害責任に触れなかったことで、中国や韓国で失望と反発が広がった。これは、日本と中韓両国との距離感が依然縮まっていないことを示している。韓国では、「日本の政治家たちは、過去の傷を癒やす勇気ある指導力をみせる・・・[続きを読む]
「社説」【北國新聞】
平和の尊さをかみしめ、不戦の誓いを新たにする終戦記念日がめぐってきた。先の大戦の戦火に散った300万人以上もの人たちの霊を弔い、アジアの国々に多大の犠牲と苦痛を与えたことを深く反省しながら、戦後の平和主義に徹した国の歩みをさらに確かなものにしてゆきたい。その思いは、ほとんどすべての国民、政治家・・・[続きを読む]
「論説」【福井新聞】
「戦後60年の間ですね、日本のこの自衛隊によってですね、他国の人間殺したことないんですよ。それからまた他国の軍隊によって日本人が殺されたこともない。先進国でこんな国はね、日本だけですよね。これは本当にね、誇るべきことだと思うね」2005年9月、気骨の政治家、後藤田正晴さんが91歳で他界。その最・・・[続きを読む]
「社説」【京都新聞】
69回目の「8・15」が巡ってきた。日本の平和主義が大きく揺らぐ中、今年ほど「終戦」の重みを強く意識させられた年はない。無謀な戦争で300万人以上の国民が亡くなり、アジア太平洋地域に多大な犠牲を強いた歴史を振り返り、不戦の誓いを深く心に刻む日にしなければならない。戦争で思い起こす京都の日本画家・・・[続きを読む]
「社説」【神戸新聞】
69回目の終戦の日が巡ってきた。戦後築いてきた平和国家のあり方をあらためて考えさせる夏だ。歴史の教訓をきちんとくみ取り、不戦の誓いを新たにしたい。◇「日本はどこへ行こうとしているのか。性急とも思える安倍路線を前に、先の見えないもどかしさが、いつもの年以上に募る」これは7年前の終戦の日に掲載した・・・[続きを読む]
「金曜時評」【奈良新聞】
暦の上では立秋を過ぎたが、今年の夏はことのほか厳しい暑さが続く。台風11号の進路も気になるところだ。その台風も、通過する前に広範囲で局地的な豪雨があったりするから、極端な天候異変に、昔の人ではないが「何かがおかしくなっているのではないか」と思いたくもなる。その「おかしさ」は、相次ぐ衝撃的な事件の発・・・[続きを読む]
「社説」【山陽新聞】
69回目の終戦記念日が巡ってきた。東京で行われる全国戦没者追悼式をはじめ、各地できょう、追悼の行事が開かれ、先の大戦で貴い命を散らした多くの犠牲者の魂に祈りがささげられる。今年の終戦の日は、日本の安全保障政策が大きな転換点にさしかかる中で迎えた。安倍政権は先月、集団的自衛権の行使を可能にする憲・・・[続きを読む]
「社説」【中国新聞】
終戦の日「知る、伝える」原点に2014/8/15命を落とした戦友たちが枕元に立つそうだ。境港市出身で、92歳にして自伝的漫画を連載中の水木しげるさん。太平洋戦争の激戦地ラバウルで米軍の爆撃を受け、左腕を失う。著書の一場面が印象に残る。命からがら戦闘から逃げ帰ったのに中隊長から「みんなが死んだんだから、お前・・・[続きを読む]
「論説」【山陰中央新報】
69回目となる「終戦の日」が巡ってきた。あの戦争で亡くなった人々を追悼し、過去と向き合い、戦争の惨禍が二度と繰り返されないよう誓いを新たにする日である。日本は平和主義を掲げて、戦後の繁栄を成し遂げてきた。今それが転換点を迎えようとしている。二度と戦争に巻き込まれないために何をなすべきか、議論を・・・[続きを読む]
「社説」【愛媛新聞】
きょうは69回目の「終戦の日」。平和への誓いを新たにするのはこれまでと何ら変わらない。違うのは、忍び寄る平和を壊す気配を多くの国民が感じ取っていることだ。この1年、安倍晋三首相は日本の針路を危うくする安全保障上の政策決定を相次いで強行した。戦後積み重ねた平和国家の基盤を根底から崩す恐れがあり、・・・[続きを読む]
「社説」【徳島新聞】
沖縄戦で戦死した父の手帳が、長い歳月を経て阿南市の長男の元に戻ってきた。元米軍兵が持っていて、海を越えて届けられた。父は享年34歳。どんな思いで戦地に赴き、倒れたのか。先月には、徳島大空襲について、当時の検事正が司法大臣に報告した公文書が現存していることが分かった。惨状を克明に記した文書は、戦・・・[続きを読む]
「社説」【高知新聞】
ことしも「終戦の日」がめぐってきた。戦後の出発点といえる「不戦の誓い」を新たにする一日ながら、平和主義の先行きに従来と異なった不安を感じる人も多いに違いない。世界各地で流血の事態が頻発している。日本の周辺では中国が海洋進出を活発化させ、北朝鮮が核開発やミサイルによる威嚇行為を続けるなど、懸念材・・・[続きを読む]
「社説」【西日本新聞】
歴史は繰り返す、と言われる。古代ヨーロッパの時代から伝わる意味深長な格言である。歳月は人の記憶を風化させる。忘却は時として慢心を生む。あらがうのは容易でない。天災は忘れたころにやってくる、との戒めにも通じる。その代償がいかに大きいか。3年前の「3・11」が如実に物語る。ならば「8・15」とどう・・・[続きを読む]
「社説」【宮崎日日新聞】
終戦の日2014年8月15日政権は国民の不安を顧みよ猛暑のさなか、69回目の「終戦の日」が巡ってきた。戦争で亡くなった人々を追悼し、過去と向き合い、戦争の惨禍が二度と繰り返されないよう誓いを新たにする日である。今年は戦後の繁栄を支えてきた平和主義が大きく揺らぎ、この国がどこへ向かうおうとしているのか、多・・・[続きを読む]
「論説」【佐賀新聞】
69年目の8月15日2014年08月15日07時50分日本が中国大陸や東南アジア、南太平洋などへ出兵し、米国をはじめとする連合軍と戦火を交えた太平洋戦争の終結から69年目を迎えた。昭和20(1945)年8月15日は照りつける太陽の記憶とともに語り継がれている。当時の若者は徴兵されて戦場へ送られ、本土空襲や長崎・・・[続きを読む]
「社説」【南日本新聞】
井上ひさしさんの朗読劇「少年口伝隊一九四五」は、人類史上初めて原爆が投下された広島を舞台にしている。家族を失い、原爆症におびえ、焼け野原を生きる少年3人に「じいたん」が語る。「ふとか号令の方へ、よう考えもせずになびいてしまうくせが、人間にはあっとってじゃ」太平洋戦争は国内外に深い傷痕を残した。・・・[続きを読む]
「社説」【琉球新報】
終戦から69年を迎えた。「戦争の反省」から築いてきた平和の重みを国民全体でかみしめたい。日本はアジア・太平洋戦争で国民の尊い命を犠牲にし、アジア諸国をはじめ多くの国の人々の命を奪った。日本はその反省から戦後一貫して平和主義を貫き、平和国家としての確固たる国際的地位を確立した。それはとりもなおさ・・・[続きを読む]
「社説」【沖縄タイムス】
8月14日という日付を、抗議の意思を込めて胸に刻んでおきたい。「取り返しのつかない愚行」と「理不尽な蛮行」の始まった日として。14日午前5時半すぎ、防衛省に雇われた漁師と民間警備会社の警備員が小型の漁船(作業船)に乗り込み、次々と汀間漁港を出港した。その数30隻以上。前日に金武湾に集結していた・・・[続きを読む]