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2013年6月11日 (火)

三橋貴明は腹を切れ

アンデルセンの童話「裸の王様」。

新しい服が大好きな王様の元に、二人組の詐欺師が布織職人という触れ込みでやって来る。彼らは何と、馬鹿や自分にふさわしくない仕事をしている者には見えない不思議な布地を織る事が出来るという。王様は大喜びで注文する。仕事場に出来栄えを見に行った時、目の前にあるはずの布地が王様の目には見えない。王様はうろたえるが、家来たちの手前、本当の事は言えず、見えもしない布地を褒めるしかない。家来は家来で、自分には見えないもののそうとは言い出せず、同じように衣装を褒める。王様は見えもしない衣装を身にまといパレードに臨む。見物人も馬鹿と思われてはいけないと同じように衣装を誉めそやすが、その中の小さな子供の一人が、「王様は裸だよ!」と叫んだ。ついに皆が「王様は裸だ」と叫ぶなか、王様一行はただただパレードを続けるのだった。
(wikipediaからの引用です。)

今の日本は、この物語に似ていることを以前からお話してきました。

「王様が裸である」(=「安倍晋三は、グローバル馬鹿である」)という事実を隠して、「王様が立派な衣装を着ている」(=「安倍晋三は純粋な愛国者である」)という嘘を宣伝してきた「インチキな仕立て屋」の存在がありました。

事実をあるがままに直視する「正直な子ども」の目には、「王様は裸」(=「安倍晋三はグローバル馬鹿」)にしか見えないのですが、「インチキな仕立て屋」に騙された大人たちは、安倍晋三を真の愛国政治家であるかのように錯覚し、そう信じ続けてきました。

しかし、時が経つにつれて、安倍晋三の掲げる政策のおかしさに疑問をもち、「おかしいことをおかしい」とはっきりと語る「正直な子ども」の数は増える一方です。

この状況に業を煮やしたのか、「インチキな仕立て屋」三橋貴明の「スルー耐性」もついに限界に達したようで、最近、彼は、下の二つの記事をあげています。

泥の沼をかき分けて進め(前編)

泥の沼をかき分けて進め(後編)

三橋先生は下のように語っておられます。

泥の沼をかき分けている最中は、自分が進んでいるのか止まっているのか、あるいは後退しているのかさっぱり分かりません。進んでいるかどうかは、あくまで後で振り返ってみて、はじめて理解できるのです。

三橋先生。安倍政権は、泥の中をかき分けてどこに進んでいるのでしょうか。

安倍晋三自身が、彼がどの方向を目指して進む政治家か、自分の口で7年前に語っています。

この度、自由民主党総裁選に立候補した安倍晋三です。私は、小泉総理とともに5年間改革を進めてまいりました。今、改革をそろそろやめた方がいいんじゃないか、一休みしたほうがいい、そんな声を聞きます。みなさん、それで本当にいいんでしょうか。改革を止めていいんでしょうか。私は決してそうは思いません。しっかりと改革の炎をたいまつを引き継いでいきたい。こう思っています。(中略)構造改革をしっかり前に進めていかなければ、みなさん、日本の未来はないんです。しっかりと、私たちはさらに改革を進めていくべきだとまずそのことを申し上げたいと思います。

安倍晋三は、はっきりと「構造改革」の方向に向かって進むのだと述べており、その先にある究極の到達地点が、TPPや道州制です。

安倍政権は、日本の国家解体という最終ゴールを目指して、泥の中をかき分けて進むどころか、目にも留まらぬスピードで駆け抜けているではありませんか。

次から次へと、目にもとまらぬ早さで繰り出される、壊国政策の数々。

TPP、道州制、日中韓FTA、RCEP、マイナンバー制度、消費税増税、電力自由化、留学生30万人計画、ビザ免除国拡大、アベノミクス特区、児童ポルノ法などは既にほぼ確定。サービス残業自由化、解雇自由化、英語公用語化、水道民営化なども、安倍政権は、参院選後に明確に打ち出してくるでしょう。

三橋先生は下のようにも述べておられます。

泥の沼をかき分けるのが面倒になった人たちは、例えば安倍政権の経済政策に構造改革的、新自由主義的な政策の匂いを感じた途端に、「安倍は売国奴だ!もう日本はダメだ!」と、全てを投げ出します。あるいは、「安倍ではダメだ! 日本を抜本的に改革するためには独裁者が必要だ!」などと、分けの分からないことを言い出すわけです。

安倍政権の政策から感じるのは、「構造改革的、新自由主義的な政策の匂い」どころの話ではありません。TPPや道州制は、三橋先生もかねてから語ってきたとおり究極の構造改革、国家破壊そのものです。私たちは、泥の中をかき分けるのが面倒くさくなっているのではなくて、進んでいる方向が間違っており、しかも、坂を転げるようなスピードで国家の破滅の方向に転落しようとしているから、それにブレーキをかけよう、歯止めをかけようともがいているだけです。私たちは、急激な革命を望んでいるのではなく、逆に、TPPや道州制といった急激な革命を起こそうとしている安倍政権を止めようとしているだけです。

三橋先生は下のようにも述べておられます。

そして、安倍政権が「思っていたのと違う!」ということで、「安倍は売国奴だ!」「安倍を支援している三橋やチャンネル桜も売国奴だ!」といった、レッテル貼りが始まることも予想していました。

三橋先生、あなたは、ここでうっかり重要な事実を暴露してしまっています。安倍が売国奴というレッテルを貼られるということを予想していたということは、あなたは、安倍が、売国的な、構造改革的、新自由主義的政策を行うであろうことを予想していたということを意味します。

これまでも繰り返し掲げてきた問いですが、三橋先生や、西田昌司のように、新自由主義や構造改革に強く反対してこられた論客たちが、安倍晋三という構造改革主義者を、真の愛国政治家のごとく支持してきた。これは、あなたがたが、本当に、安倍が政界随一の構造改革主義者であるという程度の基本的な政治の知識をもたずに、安倍を愛国者と錯覚して支持してきたのか。それとも安倍が構造改革主義者であることを知りながら、わざと、安倍晋三を真の愛国政治家であるかのように祭りあげてきたのか、どちらなのかという問題です。

確かに「保守」の人々の中には新自由主義の問題に鈍感な人たちもいますから、そういう人たちが安倍を愛国者と錯覚したのなら話はわかるのですが、三橋先生も、西田昌司も、新自由主義の問題点を知り尽くし、かねてから、小泉構造改革や竹中平蔵を強く批判されたきた方々ではないですか? どうしてそのような方たちが、小泉構造改革の後継者である、安倍のような過激な新自由主義者を、救国政治家として祭り上げるという不思議な現象が起きたのでしょうか。

三橋先生、あなたがたは、安倍が過激な構造改革主義者であることを最初から知っていながら、安倍晋三こそが日本を救う唯一の救世主であるかのような偽りのイメージを人々に植え付けて欺き、支持を煽っていたのが事実ではないのですか? 自民党から出馬の経験のあるあなたは、安倍が、TPP交渉に参加する意志をもっている程度の話も最初から知らなかったはずがありません。

事実を知っていながら、安倍がTPP交渉参加表明を行う3月15日の前日まで、「マスコミの飛ばし記事だ」とか「安倍総理はバスが出るのを待っているだけだ」と言ってとぼけ、読者を騙し続けていたのではないのですか?

仮にあなたが、安倍が究極の構造改革主義者であることも知らず、安倍を真性の愛国政治家と誤認し、安倍がTPP交渉参加の意志を持っていることを、本当に予想すらしていなかったとしましょう。

それなら、さっさと「経済評論家」など廃業すべきです。私のような政治や経済の知識にうとい人間ですら、今年の1月1日の段階で、はっきりと安倍のTPP交渉参加を予告していますが、経済のプロであり、ましてやTPP問題を論じて飯を食ってきたあなたが、安倍晋三のTPP交渉参加すら読み解けなかったわけですから。

三橋先生、あなたは以前あなたが書いた下の言葉をよくかみしめてみるべきです。

三橋ブログ: 2011年10月26日 わたくしたちが今、やるべきこと

国民を「騙そうとしていた」「騙している」わけですから、あなた方は民主主義国家において情報産業で生きる資格がありません。もし、国民を騙そうとしていたわけではないのであれば、はっきり言って知能、知識不足です。いずれにせよ、あなた方に日本の情報産業における職はありません。

反TPPの国内最大の論客の一人であったあなたが熱烈に支持した政治家が、TPP交渉に参加を表明する。この事実の重大な意味をあなたはおわかりですか? これは、まるで、ある特殊な病気を専門とする医者が熱心に勧めた特効薬を飲んだら、患者の病気が良くなるどころか一気に悪化して死んでしまうような医療ミスの話とどう違うのでしょうか。

本来なら、安倍晋三がTPP交渉に参加を表明した段階で、反TPPの論客として安倍を支持してきた、あなたも、西田昌司も、責任をとって国民に謝罪し、国家を滅亡の危機に陥れた責任を自ら取って、腹を切るべきではありませんか?

しかし、あなたがたは、私たち国民に謝罪すらしません。 謝罪もせず、責任も取らずに、のうのうと経済評論家だの、政治家だのの椅子に座り続け、いまだに安倍晋三こそが構造改革の主犯である事実を隠蔽し、国民を騙して、なおもこの嘘つき政治家への支持を煽り「インチキな仕立て屋」を演じ続けています。

あなたがたが自らを裁かなくても、やがて、時代がみなさんを裁き処罰するときが必ずやってきます。国民が目覚め、騙された怒りをあなたがたに向けるときがまもなくやってきます。そのとき、「王様は裸だ」「安倍晋三は売国奴だ」という怒号の中を、皆さんは安倍晋三と一緒にパレードすることになるでしょう。わたしはそのことをあなたがた「インチキな仕立て屋」にはっきりと予告しておきます。

(注意を受けたのでタイトルは少し変更しました。)

●その他の参照記事

「インチキな仕立て屋」と「正直な子ども」
インチキな二人の仕立て屋の大いなる自己矛盾
三橋貴明氏は何がしたいのか
三橋貴明氏は嘘をつくのはおやめなさい
警告: 安倍政権の新自由主義的本質を隠蔽しようとする情報工作について
三橋貴明氏への公開質問状
西田昌司氏は腹を切りなさい
三橋貴明、この救いがたき厚顔無恥
三橋貴明はいつ詰むか(11)


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コメント

本土メディアやネトうよよ 安部を中心に嘘八百三昧の桜井よし子や三橋貴明 桜チャンネルは国を崩壊に導く 害虫為政者です。私は沖縄出身ですが 基地問題や沖縄戦の事実を歪曲捏造するこの人達にヘキヘキしてました。 このサイトを閲覧してスッキリ!!
ありがとー

投稿: ともこ | 2013年7月29日 (月) 23時48分

竹中さんが年金資金を使ってインフラ整備するって言ってるらしいです。連合解体、農協解体の話もあるようです。TPPに参加するということはこういうことですか。

http://gendai.net/articles/view/syakai/142980

投稿: 日本が心配 | 2013年6月20日 (木) 10時46分

週刊ポストの記事にサラリーマンの厚生年金と自営業者の国民年金の積立金約120兆円を運用する「世界最大の年金ファンド」で、運用先は国債など国内債券が67%、国内株式11%、外国株式9%などと定められている。政府はその資産運用配分を見直し、国内債券の割合を60%に引き下げ、かわりに国内株式を12%に引き上げた。わずか1%でも金額にすれば1兆円を超える。と書かれていました。自民党は参議院で勝つために年金資産に手をつけて68歳年金支給開始もここからくるのかなと疑っています。

投稿: 日本が心配 | 2013年6月20日 (木) 09時05分

WJF様

余りにも安倍&麻生がお粗末だから、遂に三橋氏のスルースキルも限界に来た様ですね。

ここ最近のブログの強引さは、失笑ものです(笑)

人間的にも底が浅く教養にも乏しい売国奴を、聖人君子として祭り上げ庇うのは、最初から無謀だったんだと思います。

しかし三橋氏は未だに中野剛志さんや施光恒さん等、真剣にTPP反対に取り組んでいる先生方と共著を出版しようと言うのですから、読者を馬鹿にしてるし先生方にも失礼だと思います。

本気でオピニオンリーダーとして生き残りたいなら、腹を切って首括って本気で謝罪した上で出直すべきです。

三橋氏が共著で名を連ねる事で、著書が胡散臭くなります。

投稿: 中野剛志さんのファン | 2013年6月20日 (木) 04時35分

こちらの記事を動画にして、ニコニコ動画に投稿しました。

三橋貴明は腹を切れ
http://www.nicovideo.jp/watch/sm21118870

投稿: よしふる | 2013年6月15日 (土) 14時05分

投稿: だめだめわんこ | 2013年6月13日 (木) 20時38分

三橋氏に少しは期待してしまっていた自分は本当に馬鹿だったと思います。

新自由主義の危険性を散々指摘し、TPP反対論者の急先鋒であった三橋氏は、安倍が新自由主義にどっぷり漬かった正体を現し確信的にTPPを進めているのに、悪いのはマスコミ、財務省などと喧伝し、あくまでもデフレ克服には、安倍総理しかいないといまだに言ってます。
デフレ克服の真逆の政策を打ち出す安倍を、泥沼をかき分けながら支持しなければならないという詐術で矛盾をかかえて、三橋氏はどこに着地するつもりなのでしょうか?

さらに恐ろしいのは、これだけのおかしさを抱えていながら、三橋ブログのコメント欄の多くは安倍支持!でもTPPは反対という狂った言説の群れです。

三橋よ、そして安倍信者よ、いい加減にしろ!
マスコミに反省を求める前に、自身の不徳と不誠実を恥じなさい!

投稿: こしき | 2013年6月11日 (火) 21時34分

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