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「社員は家族」とか言っても行き着く先は「死ぬまで働け」ですよワタミさん。

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画像元:xn--zck9awe6dr30vre5d.biz/economy_news/1854/

 

ワタミ「社員は家族だから労組は必要ない」

「労働組合は必要ない」 ワタミ社長の発言は「ブラック企業」の証拠というべきか?|弁護士ドットコムトピックス

 

桑原社長は「経営側が決めることではない」としつつも 

 

いや、本当にコレですよ。分かってるじゃないですか。こういうことは「会社側」が決めることではありません。この発言もそうだし、今までの「社員は家族」とか「死ぬまで働け」とか「働くことは生きること」とかも全てそう。これら全てが「従業員」から発せられることが本来のいわゆる「ホワイト企業」のありかたなのであって、こういうことを会社側が言うな!と思います。

「社員は家族という言葉は、一見すると何だか社員を大切にしているような言葉に聞こえるでしょう。しかし、そう思うのは危険だと思います。この発言の真意、そしてこれをそのまま実行するとこんな弊害が起きるでしょう。

 

サービス残業がまかり通る

一度「社員は家族」という風潮になると厄介です。社員が「家族」になるということは、会社は「家」になります。家族には「時間」の制約がありませんよね?となると、例えば時間的に無茶な仕事であっても平気で頼んできます。だって「家族」ですから。「家族」だから遠慮することなく、どんどん仕事を頼まれます。そしてサービス残業をするハメになります。そういう仕事を頼んでくるような上司というのは、総じて「ワーカホリック」であり、本当の家に居てもやることが無い。という人が多いかと思います。部下もそれに付き合わされてしまうし、変な「帰属意識」が芽生えているので、断るのも難しかったりするんですよね。

 

ぼくが勤めていた会社でも、その「社員は家族」という風潮が非常に強いところでした。経営陣は同族経営であり、社員に関しては中途採用は行わず、新卒採用のみでいわゆる「生え抜き」を作る会社でした。良く言うと「アットホーム経営(笑)」と言うものでしょう。

そんな会社でしたが、一応社内規定でサービス残業は禁止されていました。しかし、残業をしなければ仕事が回らない。常にそんな仕事量であり、人員不足でもありました。ではそんな時はどうするかというと、

お察しの通り「情に訴える」んですよ。

「この仕事残っててとっくに退勤時間は過ぎているけど、お前手伝ってから帰るよな?おれが困ってるんだから助けてくれるよな?だって“家族”だもんな?」

という感じでした。「この助け合い精神こそが日本型経営の素晴らしさだ!」と30年前の人は思うでしょう。しかし、サービス残業は立派な「法律違反」です。社員は家族という精神も時には素晴らしいですが、会社側がこれを求めるのはNGでしょう。

さらに、弁護士ドットコムではこんな指摘もあります。

 

「使用者と労働者は、労働契約を結んだ契約関係にあります。

当たり前ですが、家族ではありません。賃金は労働者にとって、労働したことの対価であって、会社がくれる『お小遣い』ではありません。

 

 特に正社員になると、このへんの認識が薄れてくるなあ…と思います。

よく言われる「ブラック企業」にて過労が原因で倒れたり、最悪の場合死に至ってしまう方というのは「正社員」が多いと言われています。

その原因というのは、まさにこの「社員は家族」というものが根底にあるでしょう。

正社員というのは、非正規雇用と比較しても福利厚生が充実しています。よほどの事情が無い限りは解雇もできません。だからこそ、企業は正社員をこき使います。「ここまでしてやってるんだから」という考えが根底にありますから。

しかしここにもあるように、使用者と労働者は「契約関係」にあります。あくまで「これをやってくれる代わりに、これだけの賃金を払います」という双方の合意の下に関係が成り立っています。これを「家族」としてしまえば、どんな我侭も、要求も、受けて当たり前、となってしまいます。だって家族ですから。

 

ワタミの言いたいこと

つまり、ワタミの言う「社員は家族」も「死ぬまで働け」も主張の根っこは一緒なんですよ。要は「ワタミに勤務する人の志は同じ、つまりは家族。家族ならば助け合うのが当然。だからどんな要求も呑んでくれるよね?よし、じゃあ会社のために死ぬまで働いてくれ。」という事が言いたいだけです。高尚なことを言っているようで、渡邉氏が代表だったころと何にも変わっていないことを露呈しただけでしたね。

おしまい。