きまやのきまま屋

日常で思ったこと、読んだ本、観た映画、猫のことなど。主婦兼ライターのきまやがきままに語ります。

ベタですが夏にオススメの小説を挙げてみます海外編

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特にお盆だから休みっていうことはないけど、別に実家詣はしなくていいし、全体的にのんびりしているきまやです。夫がいない間は料理をしなくてよくて天国かと思いました。でも天国には終わりがありましたね…。

天国の口、終りの楽園。 [DVD]

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これも夏の映画です。

前から読書ネタで「これ未読な人は夏に読んだらいいのになぁ特集」をしたいと思っていたので、遅れ気味ですが今回さくっと書いてみます。一夏の体験を題材にするのって小説には多いですよね。夏の読書の参考になれば幸いです。

前半は名作すぎてありがちなラインナップなので、読み飛ばしても可です。

 

海外作品 

異邦人 (新潮文庫)

異邦人 (新潮文庫)

某ブログを拝見しているおかげで、最近よく『異邦人』のことを考えています。海水浴のシーンがあったり、殺人の理由が夏っぽさ満タンなので、夏に読んだらその共感できなさにびっくりできると思います(または共感してしまうのかもしれません)。有名だし難しいイメージがあるカミュですが、『異邦人』は短いから読みやすいです。

光が強すぎると世界は明るくなる一方で、影がくっきりと濃くなるという話。

 

悲しみよこんにちは (新潮文庫)

悲しみよこんにちは (新潮文庫)

こちらは夏休みの話。思春期の女子の残酷さが際立つのは夏なのかな、と思ったり。「自由な夏休みはこれが最後」と思った時に、ずいぶん大掛かりで大胆なことをしてしまうんですよね。そしてそれは一生自分の体と心に残るわけなんですが、セシルは後悔しているだろうか?こんにちわしてる場合じゃないよ、もう。

身も蓋もないけど、結局はお父さんがいけないんじゃないか、と思います。

 

グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)

グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)

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『異邦人』同様、暑すぎてどんどん追い詰められる感があります。人間はあまりに暑いと冷静になれないみたい。そして暑いからって酒を飲むのはやめようと思いました(そもそも下戸ですが)。

暑くてどんどん参っていく感は大貫三郎訳がとち狂ってていいかもと思いますが、少し表現が古いのでやっぱり最新の村上春樹訳で読むのがいいかもしれません。

ディカプリオの映画も意外によかったです。「ディカプリオ見直した!」っていう人がTwitterで続出してましたね。逆にデイジー役の人が地味過ぎるとか言われてたけど、私はあの子めっちゃ好きです。デイジーってそもそも、そんなにすごく美人じゃないと思うんだよ。男の妄執なんだから雰囲気美人でいいんだよ。

華麗なるギャツビー [DVD]

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欲望という名の電車 (新潮文庫)

欲望という名の電車 (新潮文庫)

こちらは戯曲だから読みにくいかもですが、これも田舎の夏にうなされる感があります。とにかく埃っぽそうです。

BLANKEYの『絶望という名の地下鉄』という曲の元ネタです。まあそれは置いておいても、私はテネシー・ウィリアムズが好きなんです。

テネシー・ウィリアムズには『夏と煙』もありますね。そしてチェーホフ『かもめ』も最初のシーンが初夏だったような。シェイクスピア『真夏の夜の夢』とかもあるし、戯曲と夏は相性がいいのかもしれません。

 

 

夏への扉[新訳版]

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ベタですが、SF入門にちょうどよかったので『夏への扉』もはずせない感じ。私この新訳読んでないんですが、どうなんでしょう。表紙はこっちの方が爽やかでいいなぁ。 

あとSFで気になっている夏モノが、漫画『バーナード嬢曰く』で出てきた

ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)

ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)

ですが、今年は手が回りそうにないので来年の夏に読もうと思っています。 

 

 

ムーン・パレス (新潮文庫)

ムーン・パレス (新潮文庫)

こちらは青春の始まりで始まって、青春の終わりでまた始まっていくので季節問わず読めます。でも最初の一文がこれなのでやっぱり夏に読むのがいいかなと思います。私は二十歳の夏休みに読みました。

それは人類がはじめて月を歩いた夏だった。

カスタネッツがこの小説にインスパイアされて『ムーンパレス』という曲を歌っていて、そこから知りました。でも曲の方は春っぽいイメージなんですよね。

 オースター初作品なので感慨深いです。

 

 

贖罪〈上〉 (新潮文庫)

贖罪〈上〉 (新潮文庫)

贖罪 下巻 (2) (新潮文庫 マ 28-4)

贖罪 下巻 (2) (新潮文庫 マ 28-4)

ものすごく長い話なので季節にこだわるわけではないんですが、最初の方の印象的なシーンが初夏なので、夏に読み始めるといいと思います。

既読な人からしたら印象的なシーンってどこですか?あれですか?笑。っていう感じかも…。井上荒野さんは図書館のシーンだと言ってましたが、私は噴水のシーンです!

そして同じくマキューアンなら、デビュー短編も入っている

最初の恋、最後の儀式 (Hayakawa novels)

最初の恋、最後の儀式 (Hayakawa novels)

もいいんですがこちらは変態っぽいので、おすすめできるかどうか悩むところです。濃いのが好きだと面白いかもしれない短篇集。

でもこれ、マキューアンの長編を自分が読めるかどうかの試金石にできるんじゃないでしょうか。これが大丈夫なら『初夜』『セメントガーデン』読みましょう。駄目なら『ソーラー』か『贖罪』だと思います。

 

 

解錠師 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

解錠師 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

回想シーンですが、印象的な夏のシーンがありました。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長編賞、英国推理作家協会賞スティール・ダガー賞の英米2冠。最近のヒットでした。映画化ってどうなったんだろう。

この夏から僕の人生が始まったんだよ、みたいな爽やかさなので若い人にオススメかも?でも仕掛けがいいなぁと思います。ミステリっていうよりも青春小説要素多め。

 

 

あと、最後に話が逸れますがヨハン・テオリンのエーランド島シリーズって今のところ冬と春と秋が出ているんで、次は夏だよね…!と期待に打ち震えています。北欧ミステリ好きな人、テオリンいいですよー!!!

冬の灯台が語るとき (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

冬の灯台が語るとき (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

 

という感じで、印象に残っている夏が舞台の作品でした。せっかく夏っぽいんだから夏に読んだらいいのになぁ、と思います。

他にもオススメがあったらぜひ教えて下さい。

 

 

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