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基地移設へ準備作業 市民グループなど抗議
8月14日 12時19分

基地移設へ準備作業 市民グループなど抗議
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アメリカ軍普天間基地の移設先とされる沖縄県名護市辺野古沿岸部で、沖縄防衛局が14日朝から工事の区域を示すブイを設置し、移設に向けた海上での準備作業が始まりました。これに続き、近く、海底のボーリング調査が行われる予定ですが、現場では市民グループなどが海上に船を出すなどして抗議しています。

普天間基地の移設先とされる名護市辺野古沿岸部では、沖縄防衛局が14日朝から埋め立て予定地に隣接するアメリカ軍キャンプシュワブからブイを運び出し、作業船を使って海上に設置する作業を進めています。これらのブイは、政府が先月設定した関係者以外の立ち入りを禁止する臨時の「制限水域」を示すものです。
ブイの設置に続き、近く、海底を掘削して地質を確認するボーリング調査が行われる予定で、調査ポイントの周りには関係者以外が立ち入らないようにするため、数珠つなぎになったフロートという浮き具の設置も進められています。
これに対し、海上では、計画に反対する市民グループなどがボートやカヌーを出して、工事の中止を訴えました。
このうち7、8隻が、ブイの設置作業が行われている海域に近づこうとしましたが、海上保安庁のゴムボートなどが進路を塞ぎ、一時、双方がにらみあう状態となりました。ボーリング調査は、10年前の平成16年にも当時の計画に基づいて行われましたが、激しい抗議活動などで中止された経緯があり、今後、反発がいっそう強まることが予想されます。

名護市長「強く抗議していく」

普天間基地の移設計画に反対する名護市の稲嶺進市長は、出張先の南米から、「沖縄防衛局がブイの設置を始めたことに激しい憤りを禁じえない。日本政府は移設に反対する民意を無視し続け、地元の頭越しに計画を進めてきた。地域の人権と豊かな生物多様性を踏みにじるもので、今後もこのような政府の暴挙に対し強く抗議していく」というコメントを出しました。
一方、沖縄県の仲井真弘多知事は「作業の一つ一つについて私に聞かれてもコメントのしようがない。防衛省に聞いたほうが早い」と述べるにとどまりました。

名護市民は

名護市では、反対の声が上がる一方で、しかたないと容認する声も聞かれました。
このうち名護市に住む50代の女性は「辺野古のきれいで立派な海をそのまま残してほしいので、移設には反対です。基地は一度つくってしまったら100年、200年たっても閉鎖するのは無理だと思う。自分たちの子や孫たちのためにも新たな基地は造らせたくないです」と話していました。
また、名護市出身で現在、那覇市に住む40代の女性は「普天間基地周辺の住民は上空を航空機が飛び回り騒音なども大変だと思います。国として普天間基地の移設が必要だというのであれば、沖縄という小さな島だけでなく、日本全体で負担の分配を考えてほしい」と話していました。
一方で、名護市に住む30代の女性は「普天間基地の移設は決まったことなのでしかたがないと思います。移設に伴う国からの交付金などで生活が成り立つ人もいるのではないでしょうか」と話していました。

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