集団的自衛権:終戦記念日談話で与野党攻防
毎日新聞 2014年08月15日 00時06分(最終更新 08月15日 00時50分)
与野党は15日の終戦記念日に合わせて、談話を発表した。安倍政権が閣議決定した集団的自衛権の行使容認を巡り、慎重な世論と内閣支持率の低下を懸念する自民、公明両党は、平和国家としての姿勢を変えないことや、国会で説明責任を果たすなどと強調。一方、民主党は「開かれた議論を行わないまま、独断で決める手法は乱暴だ」と追及し、先の大戦を振り返る日としては異例の政権批判を展開した。【宮島寛、光田宗義】
自民党は終戦記念日の声明で「積極的平和主義のもと、平和外交を推進する」と強調。集団的自衛権の閣議決定は国民の生命・財産を守るためだとした上で「国会審議などを通じ、国民のご理解を求めながら、法整備を進める」と理解を求めた。
安倍晋三首相に押し切られる形で7月の閣議決定に賛成した公明党は「連立政権の一翼を担っているがゆえに憲法の平和主義、専守防衛を堅持」できたとし、与党協議で歯止めの役割を果たしたとの認識を表明。来春に先送りする具体的な法整備についても、「引き続き責務を果たす」と自民党をけん制した。
一方、集団的自衛権行使の是非についてスタンスが分かれる野党側は、5党が談話で言及した。行使容認に慎重な民主党は談話で、政府・与党が国民への説明責任を放棄していると強調。武力行使の「新3要件」について「時の政権の判断に委ねられ、歯止めとは到底言えない」と疑問視した。
行使容認に反対する共産党は「日本を海外で戦争する国に変える」、生活の党は「一内閣が憲法を無視した」、社民党は「『戦争ができる国』づくりを阻止する」などと政権を厳しく批判。「限定容認」を掲げるみんなの党も「国際平和を求める日本の立場を明確に説明する必要がある」と注文をつけた。日本維新の会、次世代、結いの3党は談話で集団的自衛権に直接言及していない。