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【スポーツ】

健大高崎「機動破壊」さく裂

2014年8月14日 紙面から

健大高崎−岩国 5回表健大高崎2死一塁、打者長島の時、脇本が二盗を決める=甲子園球場で(野村和宏撮影)

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◇全国高校野球選手権<第3日> 高崎健康福祉大高崎5−3岩国

 1回戦4試合を行い、3年ぶり出場の高崎健康福祉大高崎(群馬)は得意の機動力を発揮して5−3で岩国(山口)に逆転勝ち。昨夏優勝の前橋育英に続く群馬県勢連覇に向けて好発進した。

 春夏通じて初出場の鹿屋中央(鹿児島)は延長12回、2−1のサヨナラで市和歌山(和歌山)を破った。3季連続出場の三重高は延長11回、5−4で広陵(広島)にサヨナラ勝ち、2012年春以来の甲子園勝利。初出場の利府(宮城)は4−2で佐賀北を破って4強入りした09年センバツ以来の甲子園白星を挙げた。

 足にスランプはない。健大高崎は甲子園でも走り回った。「機動破壊」のスローガン通り、4盗塁をすべて得点に結びつけての逆転勝ち。決勝打の長島僚平一塁手(3年)は「盗塁してチャンスを広げて点を取る、ウチの野球ができました」と胸を張った。

 試合を決めたのは5回だ。2死から中前打の脇本が俊足を生かしてすかさず二盗。長島が三塁の頭を越える左前適時打を放ち、さらに追い打ちをかける二盗。チャンスをつくり直して、柘植の左前打で生還した。「ベンチで情報を共有して、試合序盤にはけん制のサインも分かっていました」と長島。出たら走る。50メートル6秒5と決して速くないが、シングルヒットを事実上の長打にしてしまう足攻だった。

 一塁走者へのベンチからのサインはすべて「行けたら行け」だ。3点を追う3回も、死球で出塁した平山が二盗。3球続けてけん制された後、もう来ないと読み切って楽々と決めた。走る野球に転換したのは、2010年の群馬大会準決勝、前橋工に0−1で負けた後だ。青柳博文監督(42)は「監督の責任。何か変えないといけないと思った」という。「盗塁は選手の感性に任せています」。毎日2時間の走塁練習で徹底的に判断力を磨いてきた。

 「機動破壊」は、8年目の走塁担当、葛原毅コーチ(32)の父で愛知・杜若高で監督もしていた美峰さん(57)の造語。「父がずっと温めていた言葉。プロ野球を見ていても『何で走らないんだ』とか言いながら見ていた父から自然に学んだ」というノウハウを健大高崎に注ぎこんだ。前回出場の3年前は群馬大会で28盗塁。今夏はその記録を塗り替え、6試合で35盗塁とさらにパワーアップした。

 2回戦の相手は利府(宮城)。前橋育英に続く群馬県勢連覇へ、健大高崎が突っ走る。(小原栄二)

 

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