ローマ法王フランシスコが14日に訪れた韓国は、国を挙げた歓迎ムードに包まれている。

 法王が滞在中に行うミサには、元慰安婦の女性が出席する予定だが、関係者らが期待する直接の接触は実現しない見通しだ。

 18日に開かれる「平和と和解のためのミサ」には、カトリック信者の元慰安婦の女性5、6人が出席する予定だ。慰安婦問題を担う韓国女性家族省を通して、韓国の教会が招待した。

 訪韓前からメディアの間では、法王が、元慰安婦を訪問し対話するなどの“期待論”も流れていた。法王の訪韓に世界が注目する中、対話が実現すれば、慰安婦問題を国際社会に宣伝する絶好のチャンスとなる。

 ただ、元慰安婦が暮らす施設が法王の施設訪問を韓国の教会を通して要請したものの、断られたとの話もある。法王は訪韓直後、朴槿恵大統領に対し、朝鮮半島の平和への願いを胸にやってきたとの意を伝えたとされ、慰安婦問題との過度の関わりは避ける見通しだ。

 法王はミサで女性や子供など社会的弱者の権利擁護に言及するとみられる。(ソウル 名村隆寛)