2009年に日本軍慰安婦被害者らと韓国・日本協定文書公開訴訟を提起したイ・ヤンス氏が当時の裁判関連文書を説明している。[写真=対日抗争期強制動員被害調査および国外強制動員犠牲者等支援委員会] |
国務総理室傘下の対日抗争期強制動員被害調査および国外強制動員犠牲者等支援委員会(以下、委員会)が昨年2月、日本軍慰安婦被害口述記録集『聞こえますか?12人の少女の話』を発刊した。口述集製作過程に調査官として参加したイ氏はこの本を日本語に翻訳して日本で出版すると決意した。
「慰安婦被害者のおばあさん12人の肉声が込められた本ではないですか。韓国政府が作った最初の口述記録集でもありますし。」
イ氏は「慰安婦被害者のリアルな体験談を知らせて日本社会に真の反省を引き出したい」と委員会側に翻訳の意向を伝えた。日本の市民団体である「戦後補償ネットワーク」の有光健代表(63)と内海愛子早稲田大学客員教授(73)が積極的に翻訳に出た。
翻訳作業は容易ではなかった。韓国語と日本語のニュアンスの差や歴史的地名など混乱が生じるたびに韓国委員会所属職員とEメールをやりとりして意見を交換した。解釈が分かれる部分は結論が出るまで討論して夜を明かしたりもした。有光代表は「記録集にあるおばあさんの話を読むことさえ苦しくて大変な時が多かった」と話した。
3人は今年5月26日、合計416ページに対する翻訳作業を終えた。委員会側が翻訳監修と校閲・印刷など後半作業を担当することにした。日本の国会や大学図書館、市民団体などに本を配布するという計画も立てた。だが、予想していなかった難関にぶつかった。後半作業に必要な600万ウォン(約59万円)の予算が不足して委員会側が進行を保留したためだ。一時的な組織の委員会は安定した予算確保が難しい状況だ。
口述記録集に出てくる12人のおばあさんのうち4人が亡くなった。2007年1月に亡くなったカン・ドアおばあさんは「私の話が後世に役に立ったら良いと思う」という言葉を生前に残した。イ氏は「安倍政権の影響で慰安婦おばあさんを『売春婦』と卑下する日本人が日本国内で増えている。『聞こえますか?12人の少女の話』が早く日本で出版され、日本人に歴史の真実を知らせられたらと思う」と話した。