「元慰安婦のおばあさんたちが記憶をたどり、旧日本軍にやられたことについて話をしたとき、涙が出てきた。そんな経験をしながらも「日本人への憎悪」ではなく「平和と和解」を口にする韓国の人たちに感銘を受けた」(20歳・山崎ふみえさん)
光復節(日本の植民地支配からの解放を記念する日。8月15日)を2日後に控えた13日正午、ソウル市鍾路区中学洞の在韓日本大使館前で「世界日本軍慰安婦記念日」の行事が行われた。「慰安婦記念日」とは、故・金学順(キム・ハクスン)さんが第2次大戦中、慰安婦として連れていかれ経験したことを、韓国人として初めて公の場で証言した1991年8月14日を記念するものだ。この日の集会は元慰安婦たちによる1139回目の「水曜集会」も兼ねたものだった。92年1月8日に日本大使館前で初めて水曜集会が行われた当時237人だった元慰安婦は、今では53人にまで減っている。
この日、元慰安婦の金福童(キム・ボクトン)さん(88)は「すでに多くの元慰安婦たちが世を去っている。悔しい思いをした少女たちの恨(ハン=晴らせない無念の思い)を解きほぐしてほしい」と語った。その上で金さんは「日本が1日でも早く公式の謝罪や賠償を行うべきだ」と訴えた。集会が終わった後、金さんとキル・ウォンオクさん(85)、韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会(挺対協)は約150万人の署名が入った30個ほどの箱を日本大使館に届けた。挺対協のユン・ミヒャン常任代表は「昨年、旧日本軍の慰安婦問題解決のための署名運動を始め、計92カ国から150万人の署名を集めた。日本政府が公式な謝罪や法的な賠償を行うまで、闘争を続けていく」と述べた。
日本大使館前の歩道を埋め尽くした参加者約2000人(警察の推計)の半分は10代から30代までの若者たちだった。その中には、日本の関東地方の大学に通い、キリスト教系サークルに所属する十数人の学生もいた。前日に独立記念館を訪問した後、この日集会に参加した学生たちは「元慰安婦の集会に韓国の若者たちが多く参加しているのに驚いた」と話した。埼玉大学のクシダ・ミズキさん(21)は「韓国の若者たちがこれほど歴史に関心を持っているとは思わなかった。日本の若者たち(の現状)は恥ずかしい」と話した。明治大学で政治学を学ぶ小川マキトさん(20)は「恥ずかしい歴史とも向き合い、国家の責任を認めよう。おばあさんたちが元気なうちに」と黄色い紙に日本語で手書きしたプラカードを高く掲げた。サークル幹事のオシキ・ツキモトさん(28)は「韓国人たちが声を一つにする姿に驚いた」と話した。また、ナガオ・ミナさん(19)は「このような集会を毎週水曜日に1139回も続けてきたということに驚くとともに、日本政府がそれに全く答えていないという事実が、日本人として恥ずかしい」と話した。