戦争:絵本と詩、注目集める 分かりやすい表現で警鐘

毎日新聞 2014年08月14日 13時05分(最終更新 08月14日 13時06分)

学校では、いい国民はなにをしなければならないか、をおそわります。どんな国やどんな人が悪者か、もおそわります。<12ページ>

人のいのちが世の中で一番たいせつだと、今までおそわってきたのは間違いになりました。<24ページ>

 ◇詩「明日戦争がはじまる」 無関心の闇、リツイート

 埼玉県飯能市の詩人、宮尾節子さんがつづった1編の詩「明日(あした)戦争がはじまる」がツイッターで拡散され、大きな反響を呼んでいる。

 7年前、相手を傷つけるインターネット上の書き込みや子供の虐待死のニュースに触れ、114字を紡いだ。「他者への無関心や心のまひの行き着く先にあるのは何か。それが戦争だと思った」

 その後、詩は引き出しにしまわれていたが、詩集出版に向けた作品の整理中に見つけ、今年1月にツイッターで発表した。6月29日に東京都のJR新宿駅南口で男性が焼身自殺を図ったことに関し、この詩を転載して思いを記したツイートをきっかけに、一気にネット上で話題になった。宮尾さんは「人、命、心を失う戦争は嫌」と言うが、反戦の詩と捉えられることには戸惑いもある。「楽器のように心で鳴った言葉で、『人の心の怖さ』を伝えたかった」

 詩は少なくとも4万人に読まれ、共感、反省、批判−−多くの反応が寄せられた。宮尾さんは「詩を読んだ人が思っていることに触れた時、言葉は反応する。多くの反応があったことに希望を感じている」と語った。

◇明日戦争がはじまる(全文)

まいにち

満員電車に乗って

人を人とも

思わなくなった

インターネットの

掲示板のカキコミで

心を心とも

思わなくなった

虐待死や

自殺のひんぱつに

命を命と

思わなくなった

じゅんび

ばっちりだ

戦争を戦争と

思わなくなるために

いよいよ

明日戦争がはじまる

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