2014年8月14日13時54分
「制限区域内には入らないでください」「これ以上近づいたら、そちらに乗り込みます」。海上保安庁のボートの上で、拡声機を手にした男性が繰り返す。約10メートル先には反対派メンバーが乗った漁船。辺野古沖数百メートルの海域では、14日午前7時ごろから、海保と反対派のにらみ合いが続いた。
その3時間ほど前の午前4時。移設予定地の北側にある汀間(ていま)漁港に漁師約60人と民間の警備員30人が集まった。ブイ設置などのため雇われた漁師たちだ。漁船は計30隻。午前5時半すぎ、1隻に漁師2人と警備員1人の計3人ずつが乗りこみ、次々と出港した。漁師の一人は「作業で海が汚れるのかどうか自分にはわからない。埋め立ては複雑な気持ちだ」と語った。
午前6時。夜が明け、水平線が見えるようになると、辺野古の約1キロ沖に、ほぼ等間隔で海上保安庁の巡視船6隻が停泊。沿岸には海保のボート20隻以上が集結し、一帯は物々しい雰囲気に包まれた。
辺野古漁港には早朝から、長年座り込みを続けてきた反対派のメンバーや、県外から応援に来た人たちが集まった。午前7時、ウエットスーツを着込んだ約10人がそれぞれカヌーに乗って海へ。大阪市から来た団体職員の男性(33)は、10年前の2004年のボーリング調査の時も抗議に参加したという。「沖縄への基地押しつけはおかしい。何とか作業を止めたい」
カヌーは作業現場をめざしたが、海保のボート約10隻が接近。取り囲まれ、カヌーの上に寝そべる男性もいた。反対派はカヌーのほか船4隻も出したが、海保のボート数隻が行く手をふさいだ。
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朝日新聞官邸クラブ
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