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 大阪の老舗そろばん会社が長年保存していたそろばんが、黒田官兵衛の側近が豊臣秀吉から褒美として賜ったものである可能性が高いことがわかった。国内に現存するものとしては最古級。

 雲州堂(大阪市中央区)の先代社長が戦後、入手した。縦13・5センチ、横37・5センチ。「5」を表す五珠(だま)が上に二つ、「1」を表す一珠が五つある中国式で、紫檀(したん)製の枠の四隅は銀金具で装飾されている。珠を上下に分けるハリも銀製で、表には米を計る単位、裏には重さの単位がそれぞれ銀象眼で記されている。

 日野和輝社長(64)によると、箱に「四兵衛重勝拝領算盤」との墨書があり、数年前にこの名前は黒田官兵衛を支えた「黒田二十四騎」の一人、久野(ひさの)重勝のことと判明。今年、黒田二十四騎の展覧会を開いていた福岡市博物館に問い合わせたところ、そろばんの歴史がわかる2通の古文書が判明したという。