女性:「学び直し」拡充 再就職支援拡充へ 文科省

毎日新聞 2014年08月14日 02時30分(最終更新 08月14日 10時48分)

文科省の退職女性キャリアアップ施策
文科省の退職女性キャリアアップ施策

 ◇来年度から、官民協力して講座提供

 文部科学省は来年度から、出産や子育てで退職した女性がキャリアアップする「学び直し」施策を大幅拡充する方針を決めた。公民館や大学で、再就職先に応じた専門知識・技能を学ぶ体制を作り、退職後のブランクを補うことで社会復帰を支援する。政府はすでに来年度から5年間で、学童保育(放課後児童クラブ)の定員枠を30万人分拡充する方針を決めているが、女性が地域で働きやすい環境をさらに整備し、成長戦略の中核に位置づける「女性の活躍」の推進を図る。

 支援体制の核となる「女性の学び応援ネットワーク協議会」(仮称)を複数の市区町村でモデルとして設立する。同協議会は社会福祉協議会やNPO、企業、行政などで構成。「子育てが一段落し社会で活躍したい」という女性のために、キャリアアップ講座の開発や活動場所の情報集約・提供に携わる。

 学童保育や観光ボランティアといった主に地域活動を希望する女性には、地元の公民館や図書館で受講できる講座、活動先を紹介して社会復帰につなげる。一方、地元で起業したり企業に再就職したりすることを目指す女性には、今年度から同省が始めた社会人の学び直し事業を拡充し、各地域に広げる。

 同事業は大学や専修学校で学ぶ職業教育プログラム。「環境・エネルギー」「食・農林水産」「医療・福祉・健康」などを今後の成長分野と位置付け、専門的な技能や知識を身に着けるプログラムを産官学が連携して開発・実証する。出産などを機に退職した女性が再就職する際、こうした成長分野の最新の知識・技能を身に着ければ活躍できる場が広がる。地域活動をしていて「さらにキャリアアップしたい」と考える女性も大学などで学ぶ道を広げる。

 各地域で学べるプログラムは今年度48だったが、来年度からは倍増を目指し、女性の力で地域を活性化する原動力にもつなげたい考えだ。

 政府の成長戦略「日本再興戦略」は、大学・専門学校などの社会人の受講者数を2018年までに現在の12万人から倍増させる計画で、女性の学び直し拡充策もこの一環。【三木陽介】

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