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Androidスマートフォン市場の変化とそのなかでもGoogleは勝利した話

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Androidスマートフォン市場の売上動向が激変している。簡単にいうと、今まで王者のサムソンの売上が減少し、中国発のxiaomiが特に中国・インドなどの数を取れる市場で売上を大幅に伸ばしている。

中国市場のメーカー別出荷台数を見ると、同国のXiaomi(シャオミ=小米科技)が前年同期比240%増の1500万台となり、韓国Samsung Electronicsを抜き、初めて中国市場で首位になった。これに対し、Samsungの出荷台数は同15%減の1320万台で、2年半ぶりに2位に後退した。3位以降は、中国Lenovo Group(聯想集団)の1300万台、中国Yulong Computer Telecommunication Scientific(宇竜計算机通信科技)の1270万台、中国Huawei Technologies(華為技術)の1190万台と続いた。

簡単に言うと、これはGoogleの勝利を意味する。Android市場にとって、Googleが懸念した大きな問題はひとつのデバイスメーカーが独占的な地位を確保することで、Android市場をコントロールするプレイヤーがGoogle以外に出現することだった。そこで、サムソンはGalaxyに搭載するブラウザを自社開発のものにしたり、GUIを全てオリジナルデザインにすることで、知らないうちにGoogleのアプリからユーザーを離れさせ、GalaxyというブランドをAndroidと同等のものにしようと試みた。ただ、そんなことをGoogleも許すわけではなく、独自拡張をしたAndroidにはGoogleブランドのアプリを提供しないなどの対策をとっていたわけだが、その戦略が功を奏して、xiaomiのような低価格・高品質なスマートフォンが登場して、少なくともインドや中国などのマスの市場はそのような「価格が優先されるプロダクト」が主流になろうとしている。

これはインターネットアクセスをAndorid経由のものにして、充分にコモディティ化させるというGoogleの基本戦略に非常に合致している。Androidを使ってもらえれば、あとはそこから利益を上げるシステムをゆっくりと構築していけばよい。簡単に言ってしまえば、Google以外に市場をコントロールするプレイヤーは不要で、xiaomiの成功はその戦略上重要な一歩だと思う。このようにしてプラットフォーマーが市場をコントロールしていくのか、とかんがえると非常に興味深いケースだと思う。結局、Googleの高い利益率を支える基本部分はこういう長期的な戦略的成功の積み重ねなんだよなー。