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2014年08月04日
8/2 世界コスプレサミット2014はゼルダを演じたロシアが初優勝
8/2に名古屋・栄の愛知県芸術文化センターで世界コスプレサミット2014 チャンピオンシップが開催され、過去最多の22ヶ国・地域が参加した決勝戦で「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」を演じたロシアチームが初優勝しました。
・ 世界コスプレサミット2014 | 【公式】世界コスプレサミット | WORLD COSPLAY SUMMIT
優勝したロシアチーム。左:nek(エカテリーナ)さん(ゼルダ姫)、右:nichi (イェブゲニー)さん(リンク)
ロシアチームの演技はストーリー終盤のガノンドロフに憑依されたゼルダ姫を救出するシーン…なのですが、アクションシーンがコミカルにアレンジされていました。過去同じようにコミカルなパフォーマンスを演じて会場受けも良かった出場者はいたのですが、コメディ演出で優勝したチームは今までほぼ無かったように思います。
「ロシア国内予選での優勝後にコメディではなくシリアスに内容を変えたほうが良い、その方がコスプレサミットの傾向を見ても得点を狙える、と周囲からアドバイスを受けましたが変えませんでした。今までに無いフォーマットも評価されたのではないか」と大会後のインタビューでnichi さんは語っていました。
確かに最近の傾向として無難な演舞タイプやアクションの見栄えも求められる殺陣タイプの演出が多く、どの国も同じようなパフォーマンスになりがちだったのは否定できない気がします。原作再現度との兼ね合いが難しい面もあると思いますが、もし今回のような自由な発想の演出が評価されたのなら次回大会もまた面白くなるかもしれません。
2位はカレイドスターを演じたイタリアチーム(NadiaSK/MOGU)。パフォーマンス点の高いチームに与えられるLIVEDAM賞とのW受賞となりました。実際にフープなどを使った新体操を取り入れた演技は原作の世界観をよく表現していました。コスプレの場合動いたり回ったりすると衣装の見栄えもさらに生きてくるとは思うのですが、あれだけ形になったパフォーマンスをするために相当な努力があった事だろうと思われます。そのあたりもスポ根の王道をいく原作とダブって見えたりもしました。
3位は鬼武者3を演じたインドネシアチーム(Ryan/Dharma)。音響効果の優れたチームに贈られるジョイサウンド賞とW受賞。造りこまれた衣装と武器、変身の転換や刀で突き刺した地面が割れ上がるアイデア、効果音やここぞという所での電飾の使い方など見栄えがするパフォーマンスで会場の受けも良かったように感じました。
左:イタリアチーム(NadiaSK/MOGU)
右:インドネシアチーム(Ryan/Dharma)
特別賞は以下の通り。
・シペラス賞(ベストウィッグ) スペイン(リボンの騎士)
・ドコモ賞(スマホユーザー投票) 韓国(ペルソナ4 マヨナカアリーナ)
・ジョイサウンド賞(音響効果) インドネシア(鬼武者3)
・ブラザー賞(ベストコスチューム) デンマーク(カンタレラ 背徳ノ愛ト毒ノ果テ)
・ニコニコ賞(ニコニコユーザー投票) メキシコ(猫の恩返し)
・LIVEDAM賞(ベストパフォーマンス) イタリア(カレイドスター)
今回は受賞を逃した日本チーム(amini/媛次あずま)は戦国BASARAの殺陣のような演舞のパフォーマンスでした。女性ながら巨大な武器をよく振り回していたと思うのですが、他チームに比べるともう少しインパクトが欲しかった気はしました。
個人的に良いなと思ったのはハウルの動く城を演じたオランダチーム。火を起こすシーンの温かみ、背景を立体絵本にしての場面転換など、肝心の衣装にあまり派手さはなくともジブリの世界観をかわいらしく表現していました。そのためあくまでコスプレの世界一を競う本大会では点には結びつきにくかったかもしれません。猫の恩返しを演じたメキシコといい、今回ジブリ作品を選んだチームの原作を思い出させるような丁寧な演出は見ていて感動するものがありました。
またハッピーエンドにはしないパフォーマンスをしたチームもいくつかあり、他チームとの差別化という意味でも心に残る上手い演出だったと思います。
今年は大会の模様のテレビ放送の予定は今の所予定は無いようですが、ニコニコ生放送では当日WEB中継され、現在も一定期間タイムシフト視聴が可能(プレミアム会員登録が必要)となっています。
【感想など】
昨年度から主催が10年続いたテレビ愛知から世界コスプレサミット実行委員会へと変わり、体制が大きく変わったコスプレサミットですが、今年も大きな変化がありました。
大会会場が8年続いたオアシス21から、隣接する愛知県芸術文化センターに変更
会場を屋外オープンスペースから建物内へと変更するメリットは大きいと思います。保安面や設備の充実、座席数など観戦環境の向上もありますが何より真夏の名古屋の蒸し暑さから開放されたのは出場する選手はもちろん、誰もが喜ぶ所ではないでしょうか。
一方でオアシス21会場はライブビューイング会場となり、生とは違って迫力がいまいち伝わらなかったり、会場側の音声が小さいために内容や進行がよくわからなかったりしたのはやはり残念な点だったと思います。また仕方ない面もあるとは思うのですが、誰もが世界レベルのコスプレパフォーマンスを直接見れる場所とは言い難くなってしまったとも感じます。
ライブビュー会場での杉田智和さんのボケと坂口大輔さんの間髪入れないツッコミのかけあいは銀魂そのまんまで面白かったんですけどね。台本無しにあそこまで息が合うものなのかと思いました。
期待通り銀さんのコスプレで登場してくれた杉田さんの順位予想は…1位「岸田メル」2位「岸田メル」3位「岸田メル」(笑)坂口さんはもちろん新八コス。
運営側に中継とのバランスを配慮して欲しい所もありますが、じっくり見たいなら屋内、ゲストのトークも楽しみたいならライブビューと、観る側がニコ生中継を上手く活用すれば自分の観たいスタイルを選べるようになったと考える事もできます。ただ芸術文化センターのチケットは完売するのが早かったので、観るスタイルは早めに決める必要がありそうです。
あと変化としては主催の世界コスプレサミット実行委員会に愛知県と中日新聞社が加わった事も実は大きな変化かもしれません。名古屋をPRするには欠かせない組織の参加には安心するものがありますね。
大会の終盤には、これからも参加国を増やして行く方針であることが告知されていました。さらに運営の負担が増える事を考えると大丈夫かなと思う反面、純粋にそれは素晴らしい事だとも思います。
漫画・アニメ・ゲーム…そしてコスプレという共通言語があれば、世界が少しでも平和になるかもしれないと、毎年、特に様々な国や地域が参加するようになったここ数年のこのイベントを見ていて冗談抜きに思います。もしかしたら日本はそこで重要な役割を果たせるかもしれない。毎年書いてるような気もしますが、そのためにももう少し敷居の低い交流の機会があってもいいようにも思います。
また国内においても、振り返ってみると街中でのコスプレがまだまだタブー視されていた時代に都会のど真ん中でイベントを行い、賛否両論あったものの結果的にコスプレの認知度を高め、街中でのイベントやコスプレによる町おこしのモデルケースにもなってきたようにも思います。
商店街の人が思い思いのコスプレをしてパレードに参加してみたり、コスプレイヤーさんを実際見て次の年には自分もやってみる人達がいたり、ヒーローやヒロインのコスをしたレイヤーさんと嬉しそうに写真を撮る子供たちがいたり、気合の入ったコスプレイヤーさんが素晴らしいコスプレを披露する一方、友達や親子で気軽にコスプレを楽しんでいたりする、そんな楽しそうな光景を何年も取材を続けてきた中でいくつも見てきました。
また最近では東海地方ばかりでなく、認知度が上がっているのか参加するために全国からやってくる人も増えているようにも思います。コミケのような注目されるイベントになるかは未知数な部分も多いと思いますが、その影響力や成果を考えるとコスプレサミットは今後も継続していくべきイベントなのだろうと改めて思います。
【関連ニュース】
・ 世界コスプレサミット:「ゼルダの伝説」のロシア代表が初の世界一 - MANTANWEB(まんたんウェブ)
・ [世界コスプレサミット]「ゼルダの伝説」のロシア代表が初の世界一 | マイナビニュース
・ [世界コスプレサミット]優勝のロシア代表夫婦 なれそめはアニメ | マイナビニュース
・ コスプレサミット、「クール・ジャパン」を体現 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
投稿者 jyadoo : 2014年08月04日 00:51
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