巨人―阪神の首位攻防第1ラウンド(12日、東京ドーム)は3―4で巨人が敗れた。先発・杉内俊哉(33)の乱調もさることながら、やはりのしかかったのは“あと一本”の重みだった。果たして今後も打線を組み替えるべきなのか。本紙評論家・前田幸長氏が原辰徳監督(56)を直撃。そこで明かしたのは、強い信念と意外な理想だった。
【前田幸長 直球勝負】この日(12日)も打線が機能しなかった。初回こそ先制したが、4回は無死一塁を生かせず。3点ビハインドで迎えた6回も1点を返し、なお無死満塁と絶好のチャンスも3連続三振に終わった。試合後に原監督は「(打球が)前に飛んでいかなかったね」とだけ話したそうだが、その胸中は計り知れない。
こういう状況を生んだのも、打線を動かしている影響ではないか――。ファンのみならず、評論家の間でもそう主張する方が少なくない。確かに今季の巨人は打線が目まぐるしく入れ替わっている。打てない、主軸として固定できる選手がいない、というのは数字が物語っている。一方で他球団からは「固定された方が威圧感がある」などといった声もある。
それでも原監督は「少々動き過ぎと言われようがチームを動かし続ける」と意志は固い。先日、監督にこう尋ねてみた。「今年、何通り打線を替えました?」。これにはすかさず「知らないよ、そんなこと!」と突っ込まれたが、すかさず落ち着いた口調で自らの考えを明かしてくれた。「当然、固定されることが望ましいよ。何通りもやっているのは、その日のベストでいくしかないから今はやっているんだ。3割打っている人もいないわけだし、その日のベストを選んでいる」
そうは言っても理想があるはずだ。特に4番。8月に入ってからは(阿部)慎之助に託しているが、後半戦スタート時は長野、そして(高橋)由伸と変わってきた。ここはズバリ聞かせていただいた。「監督の中の4番は誰なんですか?」。すると原監督は迷うことなく「村田だね」と即答した。正直、これは意外だった。
原監督にとって“理想の4番”は「4番・サード」そして「右打者」なのだろう。以前「憧れ」と語っていた長嶋茂雄さん、そして何より、監督自身がそうだった。この条件こそが「巨人の4番像」と考えているのではないか。
もう一つ、感じたことがある。取材中、井端が加わり3人での会話になったときのことだ。そこで話題になったのは私が中日に在籍していた99年、星野監督のもとでリーグ優勝したときのチーム状態だった。実は当時、中日打線は毎試合のように打線が入れ替わり、勝っても2―1や3―2の接戦をものにする戦いが続いていた。まさに原監督が、今のチーム状態のなかで掲げている戦いの形そのものだった。
そこで「今、そんな感じではないですか?」と聞いてみた。当時、野手総合コーチだった原監督は「あの時の中日戦は面白かったよな」とだけ語ったが、きっとあの戦いの残像も、原監督の「チームを動かし続ける」意志をまた一つ強くしているのではないだろうか。
今季の巨人は接戦を重ね粘り強く勝利を重ねてきた。原監督の信念に選手たちが終盤どう応えていくのか、大きな見どころとなるだろう。
(本紙評論家)
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