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 ロシア軍は12日、北方領土と千島列島で、千人以上が参加する軍事演習を開始した。今回の軍事演習は北方領土の国後、択捉両島を含めた地域で行われている。日本政府はロシア政府に直ちに抗議した。日ロ関係に与える影響は極めて大きく、日本政府内からは「今秋のプーチン大統領の訪日は不可能だ」との声が上がるなど、訪日は絶望的になった。

 日本外務省によると、北方領土でロシアが軍事演習をするのは2010年7月以来2度目という。ロシアの軍事演習の背景には、北方領土問題を牽制(けんせい)する意図がありそうだ。東部軍管区の担当者は、インタファクス通信に対して、演習には千人以上の兵士、攻撃用大型ヘリコプターMi8が5機、およそ100台の軍用車両のほか、最新のロシア製無人航空機も参加すると述べた。

 一帯に展開する様々な軍組織をどう運用するかが課題といい、Mi8からのパラシュート降下による上陸訓練も予定されている。

 ロシア外務省は先月、ウクライナ危機をめぐって日本がロシアに科した追加制裁に対して「両国関係のあらゆる面に損失をもたらし、後退させる」と強く批判。その後外務次官級の日ロ協議を一方的に延期していた。