記事入力 : 2014/08/10 07:09
奇襲で天皇生け捕り、日本降伏…の空想歴史ファンタジー
小説『李舜臣の帝国』 小説『李舜臣(イ・スンスン)の反逆』の著者、ユ・グァンナムさん(55)が、忠武公・李舜臣を題材にした小説第2弾『李舜臣の帝国・1』を出版した。
「夢を見た。とてもひどい大暴風のような夢を見た。朝鮮を苦しめた日本を奇襲し、天皇を生け捕りにした。自分を陥れて殺そうとしていた宣祖は廃位され、日本が降伏した。朝鮮の王朝を変える李舜臣の反逆が企てられた。それは全て、罪人として義禁府の獄につながれていた時の『一夜の夢』だった」(17ページ)
これは空想歴史ファンタジー小説だ。李舜臣は確かに英雄だったが、作者は「李舜臣が真の英雄であったなら、人民を、国民をまず救うべきではなかったか」という思いから筆を執った。
前作は、李舜臣が抗命罪で拘束されていた丁酉(ていゆう)年(1597年)34日間の記録だった。今作は、白衣従軍(一兵卒として従軍すること)扱いで釈放された直後から、李舜臣の衝撃的な「クーデター」を中心にストーリーが進む。
小説は、李舜臣が帝国を完成させていく過程を描いた。日本と明を相手にした3国戦争が主な内容だ。特に、朝鮮における易姓革命の過程を細かく描写した。
小説では、実際の歴史上の人物と架空の人物が共存している。登場人物は、小説の中で生き生きと動き、リアルな証言と活躍を繰り広げる。領議政を務め、『懲ヒ録』(ヒは比の下に必)を書いた西ガイ(ガイはがんだれに圭)柳成竜(ユ・ソンリュン)や、日本から朝鮮に投降して朝鮮のために日本と戦った降倭将軍の沙也可・金忠善(キム・チュンソン)、漆川梁海戦の敗将・元均(ウォン・ギュン)、そして鄭汝立(チョ・ヨリプ)などが、ファンタジーで新たにスポットライトを浴びた。
ユ・グァンナムさんは、小説家や文化創作プランナーとして活動している。5年間、大学でストーリーテリングの講義も行った。最近コミックやドラマにもなった『大物』を小説として発表し、NEWSISの連載小説「降倭・金忠善」に手を加えて『李舜臣の反逆』『沙也可・金忠善』を出版した。
出版社側は「李舜臣の帝国は、私たちが夢見る帝国になり、私たちが望む理想的な国へと発展するだろう」と語った。320ページ、1万3000ウォン(約1290円)。スターブックス。
オ・ジェイル記者
NEWSIS/朝鮮日報日本語版
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