＜愛知４人変死＞「自殺の義兄が３人殺害」県警、書類送検へ

　愛知県岡崎市と名古屋市で４月、会社経営の坂野（ばんの）充徳（みつのり）さん（当時４７歳）とその両親、義兄（同５９歳）の計４人が相次いで遺体で見つかった事件で、県警捜査１課は近く、自殺した義兄が他の３人を殺害した疑いが強まったとして、容疑者死亡のまま殺人と死体遺棄の疑いで名古屋地検に書類送検する方針を固めた。【三上剛輝、大野友嘉子】

　捜査関係者によると、義兄は４月９日前後に、坂野さんの両親の広則さん（同７８歳）、直子さん（同７５歳）を、同市南区の夫妻宅と義兄名義の乗用車内で、別々に首を絞めて窒息死させたとされる。さらに同１２日未明、坂野さんが借りていた岡崎市のアパートで、坂野さんの首を絞めるなどして殺害した疑いが持たれている。

　夫妻の遺体は１２日午前、名古屋市中区の駐車場に止めた義兄名義の乗用車内に遺棄したとされる。坂野さんの遺体はほぼ同時刻に、火災になったアパートの焼け跡から発見されている。

　義兄は４月１３日午前１１時ごろ、名古屋市中村区のホテルで首をつって自殺した状態で見つかった。広則さん、直子さん夫妻の遺体は１３日午後３時ごろ、名古屋市中区の駐車場の乗用車の中から見つかった。

　義兄は自殺した際、坂野さんについて「自分が死なせた」、夫妻について「（死に関与したのは）自分ではない」という趣旨のメモを残していたため、県警は慎重に捜査していた。しかし、現場の状況などから、義兄が夫妻も殺害したと判断したとみられる。