ここから本文です
[PR] 

<北方領土演習>日本、露の意図を慎重に見極め

毎日新聞 8月13日(水)21時13分配信

 日本政府は、ロシア軍が中止要請にもかかわらず北方領土での軍事演習を実施したことを受け、外務省の武藤顕欧州局参事官が13日、ロシアのジョスキー駐日臨時代理大使を同省に呼び抗議した。ただ、政府内には、北方領土交渉の進展をにらみ、ウクライナ情勢の影響で不透明になった今秋のプーチン大統領訪日を予定通り実現したいとの思いが強い。このため政府は、演習の時期や内容などの詳細を分析し、ロシア側の意図を慎重に見極めて、今後の対応を検討する考えだ。

【72%が「報復制裁は正当」】プーチン大統領、支持率87%に

 「ロシア軍の軍事演習は我が国として到底受け入れることはできない。外務省から厳重に抗議する」

 安倍晋三首相は13日午後、山口県下関市で記者団に対しこう述べた。外務省の抗議はその約2時間後。武藤氏が「わが国の法的立場から到底受け入れられず、極めて遺憾だ」と述べたのに対し、ジョスキー氏は、北方領土を自国の領土と主張した上で「本国に伝える」と返答した。

 政府は「ロシアが北方四島で軍事演習を実施する」との情報を4日に確認し、翌5日、外交ルートで中止を要請していた。ただ、5日は政府がウクライナ情勢を受けて対露追加制裁を発動したタイミングでもあり、ロシア側は日本側の中止要請を無視する形で実施に踏み切った。

 ロシア軍の演習実施に対し、ある政府高官は「信頼関係を積み重ねてきたと考えていただけに、非常に驚いた」と話した。ただ、同時に「これまで通り、対話を重視して両国関係を再構築することが重要だ」とも指摘。両国関係をこれ以上損なう事態は避けたいとの本音をのぞかせた。【鈴木美穂】

最終更新:8月13日(水)22時51分

毎日新聞

 

PR

注目の情報


PR

注目の商品・サービス