長岡花火:15年8月15日、真珠湾で初の打ち上げへ

毎日新聞 2014年08月13日 19時08分(最終更新 08月13日 20時48分)

来年の終戦記念日に戦災犠牲者への鎮魂と復興の願いを込め、ハワイの真珠湾で打ち上げられることが決まった長岡花火。今年の長岡まつり大花火大会から=新潟県長岡市の信濃川河川敷で2014年8月2日午後、湯浅聖一撮影
来年の終戦記念日に戦災犠牲者への鎮魂と復興の願いを込め、ハワイの真珠湾で打ち上げられることが決まった長岡花火。今年の長岡まつり大花火大会から=新潟県長岡市の信濃川河川敷で2014年8月2日午後、湯浅聖一撮影

 新潟県長岡市は、終戦70年の来年8月15日、日米開戦の舞台・真珠湾(米ハワイ州ホノルル市)で、伝統の「長岡花火」の初の打ち上げを計画し、両市が合意した。米軍の空襲に遭った長岡市と、旧日本軍の攻撃を受けたホノルル市が、戦没者の鎮魂と平和を願い、夏の夜空に大輪の花を咲かせる。

 長岡花火の始まりは1879(明治12)年。戦時中に一時中断したが、市街地の約8割を焼失し、市民1400人以上が亡くなった長岡空襲(1945年8月1日)の犠牲者慰霊と復興を祈って47年に復活した。毎年8月2、3日に行われる。

 両市の交流は、真珠湾攻撃を指揮した旧日本海軍連合艦隊司令長官・山本五十六が長岡市出身で日米開戦反対論者だったこともあって、相互理解を深めるため2007年から始まった。12年には姉妹都市提携を結び、ワイキキ沖で花火を打ち上げた。真珠湾での花火は、来年8月に両市で開く市民交流の記念事業の締めくくりとする計画で、詳細は今後検討するという。

 長岡市内で今月2日にあった両市の「日米友好記念事業委員会」で合意した。森民夫・長岡市長は「メッセージを持った花火で平和の大切さを伝えるのは長岡市の責任」と、取り組みの意義を強調した。ホノルル市のカーク・コールドウェル市長は「真珠湾で打ち上げる花火は歴史的な出来事になる」と歓迎した。【湯浅聖一】

最新写真特集