うつ病や躁うつ病なんかが特にそうだと思うんだけど、最近なんでも「病気」にしすぎていませんか、という話、ではなく、ある種の病気や状態に対して、「甘え」という言葉を貼り付けるととても便利なので、「甘え」にされやすい病気をちょっと集めてみました。
考えた発端
ここ数日、アレルギーの話題で紛糾するTLを眺めておりました。どうも発端はここらしいです。蕎麦アレルギーだった私が今蕎麦が大好きな理由。|河村直子オフィシャルブロ...
時間から、今日は短めに書く。製作時間が40分しか確保できなかったから、今の体調の話と、少し前の体調の話。今、オフ会が終わって肩の荷が降りて抑うつ状態である。その...
読んで思ったこと
どちらの記事にも直接使われているわけでゃないけれど、「甘え」っていう言葉の便利さかな。
これって、(自分は)正しいという見識に基づいて対象を断罪することなんだけど、その原因の実態がよくわからない。何か頑張ってない、正しくあろうとする努力が足りないみたいなことに「甘え」っていうのが「甘え」っていう言葉。名詞。
名詞なので、「Aは甘えだ」っていう文章が作れるため、「Xは甘えである」と文が完結します。これにより文章自体を主張とすることが出来、結果「正しくあろうとするそ力の方法はどういうものがあるのか」という具体的なアドバイスがされないので、問題解決に際し、なんら有効ではないというちょっと切ない状態になります。
ちなみにこの切なさは、「甘えなんだからお前で解決しろよ or 気合だよ、みんな頑張ってんだよ」っていう甘え状態の無価値さ言及によって割と正当化されるので、べつに放置したいわけじゃないだろうに、対象の数が減らない、というlose-loseの結果が生まれます。
以上を踏まえて、「甘え」の病気ランキング
- 1.うつ病
- ベタベタですが、やはりこの病気につきます。みんな頑張ってるんです。生きるために頑張ってるんです。ゆううつだとかいってサボってる人は甘えてるんですよ。ちなみに、「社会的に不必要ぽいので(ry」という文章が続くこともあり、別名「うんこ製造機」とも呼ばれます。確かに「うつ病」なんだけど、良好をしまくりtwitter/fbに写真upしまくりなんていう人にはとくにうんこ製造機やなあと思われたりします。こういうのに備えて、そろそろ「うつ」の怖さを訴えるのではなく、「新型うつ」と「うつ」の違いを説明するフェーズに入っていったほうが良いかもしれませんが、一般的にはどちらも甘えですね。
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- 2.心身症
- 「自律神経失調症」というと通りが良くなると思いますが、胃腸・循環器関係はダイレクトに感情とつながっているため(緊張でお腹が痛くなることは誰にでもある)、とくにお腹のゆるさをメンタルの弱さ=甘えとして指摘される傾向は強く、過敏性腸症候群に対して「甘え」と言われていることは何度か見かけました。パニック障害もここに入れておきましょう。芸能人でカミングアウトされている人が結構いるのですが、「芸能人とお前は違う」ということで、一般的には甘えということで処理されます。っていうか、精神病の場合、統合失調症以外は大体甘えとか「育ち」とかそんなに落ち着いて理解されていると思います。
3.喘息:これは昔のほうが甘えと言われていたかな。特にあまりからだを動かすのが好きではない子供がなると「運動しないからそうなるんだ」といって、結構無茶な運動を勧める場合があります。基本的に感じる人と感じない人の差があるアレルギー的なものは、感じる人間は過敏であり、ひいては弱さなのだ、という言い方ができますね。:
- 4.アトピー
- 上でも出てきたアトピー。アトピーは環境要因もとても重要なので、ともすれば現代医療にメスを入れる的な論調にあり、そこから擬似科学的な立場に基づいて奇跡を起こして治していくメソッドがよくあります。この場合、甘えというより、パラダイムシフトを起こせないかわいそうなバカという風に扱われます。あと、皮膚の変化によって「気持ち悪い」と言われます。さながらハンセン病ではないですが、人間見た目に対する恐怖感は強いようですね。
- 5.糖尿病
- 食欲を制御できないメタボブタの末路です。どうせ甘いモノ好きなんだろ?カウチポテトしてんだろ? 運動してねーんだろ?:
実際にみたことなんですよねえ
糖尿をdisるっていうのも結構見て、へえそんな理由があったんだ、とびっくりした思いがあるんですけど、数少ない例だと放射線障害に人間は根性が足りない、甘えてるからそうなったんだ、みたいな人もいて、割とその人が偉い立場にいるものだから、「甘え」という言葉はどこにでもつくよねえ、と思った次第でした。