初級 〜Beginner-level

問題1

「司会者は何と言っているのだろうか?」

じゃあ最初の問題だ。この前、俺はみんなみたいにラジオを聞いていたんだ。
そしたらとある番組で、司会者が意味不明な言葉を言っていた。それはこんな言葉だった。
「かきくけこの「く」がお送りする、ドレミファの「ファ」相談コーナーです」
さて、この司会者の言葉、何を意味していたかわかるかな?
金田一一の声で聞く
解答
木下がお送りする身の上相談コーナー
解説:「く」は「き」の下、「ファ」は「ミ」の上の音階

問題2

「翔太くんとエレベーター」

近所に住んでいる翔太くんという男の子がいる。
マンションの15Fに住んでいるんだけど、天気のいい日は8Fまでエレベーターでいって、そこからは階段をのぼる。
雨の日は15Fまでエレベーターでいくんだ。何故だろう?
金田一一の声で聞く
解答
傘でエレベーターのボタンを押した
解説:まだ背丈の低い翔太くん。階の順番に縦に並ぶボタンのうち、自分の手では8階のボタンまでしか届かない。でも雨の日は、傘の先で一番上の15階のボタンも押せたのでした。

問題3

「大富豪 色の遺言」

3問目は、推理クイズらしくなってくるぞ、気合を入れて聞いてくれ!
ある大富豪が亡くなった。遺産すべてを宝石に変えて、家の中のどこかに隠したようだが、
なにしろ広大な屋敷のこと、一向に見つからない。
大富豪の書斎に遺言状がわりに残されていた紙には、不規則な色のラインと、謎のメッセージがあった。
メッセージは「最初の言葉をつなげよ」。
番組ホームページに残されていた紙の画像を載せてあるから、それを見て推理してほしい。
遺産の宝石はどこにあるんだろうか?

最初の文字をつなげよ

金田一一の声で聞く
解答
古い青い椅子
解説:不規則に連続する色。実は国旗。それに気付くと、フランス、ルーマニア、イタリア、アイルランド、オランダ、イタリア、イタリア、スイスの順番に並んでいる。最初の言葉をつなぐと・・・
中級 〜Middle-level

問題1

「消えた死体の謎」

中級問題1問目は、連続殺人が起きてしまったある屋敷について謎を解いてくれ。
その屋敷に暮らす男は母親と執事と3人暮らし。事業家だった父は男が幼いころ亡くなっている。
この男が連続殺人を犯した。
まず10年ほど前、遊びに来た友人と些細なことでけんかになり、殺してしまった。
死体は屋根裏部屋のクローゼットに隠した。次の日見に行くと不思議なことに死体が消えていた。
その数年後、嫌いな上司を殺した。
死体は屋根裏部屋のクローゼットに隠した。次の日見に行くと不思議なことに死体が消えていた。
そして去年、長年言い争いが絶えなかった母と口論したすえ、ついに殺してしまった。
死体は屋根裏部屋のクローゼットに隠した。次の日見に行くと不思議なことに死体が消えていた。
さらに先月、執事がうっとうしくなった男は、衝動的に殺した。
死体は屋根裏部屋のクローゼットに隠した。次の日見に行くと・・・死体は消えずそのままだった。
何故、執事の死体は消えなかったんだろう?
金田一一の声で聞く
ヒント
ヒント①シンプルに考えてみよう
ヒント②誰かが男の殺人と死体遺棄を知っている
解答
この事件の真相は単純だ。
この男は数年の間に何人もの人を殺し、そのたびにクローゼットに死体を遺棄してきた。
しかし、そのことを知っていた執事は、男をかばう為にクローゼットから別の場所に死体を移し隠していたのだろう。
最後に死体が消えなかったのは、死体の隠ぺいをしてきた執事を殺したからだ。
そして男自身も事実を察することになっただろう。
答えは、いままでの死体はすべて執事が別の場所に移していたから。
謎は解けても、やるせない気分が残る事件だ。
金田一一の声で聞く
中級 〜Middle-level

問題2

「資産家ワインセラー殺人事件」

ここまで順調に謎は解けているかい?
この問題、タイトルからして「金田一少年の事件簿」みたいでけっこう難しくなってきたぞ。
心して聞いてくれ。

資産家の遠藤耕一郎(えんどう・こういちろう)という人物がいた。
遠藤は妻に先立たれ、一人では大きすぎる都内近郊の家で暮らしていた。
その淋しさをまぎらわすためか、毎月ホームパーティを開いていた。
今月も、油絵教室の仲間たち5人を家に招いていた。
上機嫌だった遠藤は「特上のワインを取りに行く」と言い残し、地下にあるワインセラーへ向かった。
しかし、なかなか戻ってこなかった。
お手伝いさんが見に行くと、ワインセラーの中でうつ伏せに倒れていたんだ。
頭からは大量に血が出ていた。そのまわりには、砕けたワインの瓶のかけらがちらばっていた。
そして、手には1本のワインが握られていた。
それはあるイタリアのワイン。
そのエチケット、フランス語で「ラベル」のことだけど、それは女性の顔のイラストだった。
遠藤の死体が発見されてほどなく警察が来た。
現場検証をすると、死因は後頭部をワインの瓶で強打され、大量出血したことだとわかった。
さらにワインセラーの監視カメラには、頭から黒いフードを被りコートを着た人間に
被害者がいきなり殴られている映像が映っていた。
ワインのエチケットがダイイングメッセージだとすると犯人は「女性」なんだけど、招待客は全員女性なんだ!
刑事は「被害者のダイイングメッセージは全く意味がない」と言っているけど・・・。
犯人の疑いがある、この日パーティに招かれた客は5人。

1人目は、喜多正子(きた・まさこ)35歳。
遠藤の家の近くで古本屋を営む女性。
おしゃれにはまったく無頓着で、いっさい化粧はしない主義。
いつもとことどころ破れたジーンズをはいている。

そして、和田英子(わだ・えいこ)46歳。
会社を経営していた父親を早くに亡くして苦労したようだが、医者と結婚し、
東京・吉祥寺に住む有閑マダム。服装はかなり派手で、いつもブランドものを着ている。

3人目 田島ゆかり(たじま・ゆかり)27歳。
ショートカットが似合う、銀座の一流フランス料理店のソムリエ。
今回はホームパーティのソムリエとして、遠藤に呼ばれた。
実家に住んでいるが、早く結婚して家を出たいと考えている。

次は、小野まり(おの・まり)55歳。
今年の春から東京都内の駅前でハーブティー専門店を始めた。
客のイメージを聞いて、その場で調合するスタイルが受けている。
今日は招待客のために実際、調合する依頼を受けていた。
微妙な香りをかぎ分けるのがポイントだそうだ。

最後、5人目は新谷さゆり(しんたに・さゆり)33歳。
美術館の学芸部員で、知的で美しい女性だ。
アルコールなどの刺激物や化学物質にアレルギーがあって、いつも木綿のシンプルな服を着ている。

これが、殺された遠藤の家に集まっていた5人だ。
この中に犯人がいる!
金田一一の声で聞く
ヒント
ヒント①被害者は後ろから殴られ、犯人の顔を見ていない。
招待客はみな女性なのに何故「女性」の絵柄のワインを持ったのだろうか? 女性の意味するものとは?
ヒント②ハーブティーの調合は、微妙な香りをかぎ分けなければならない。
ヒント③ソムリエは職務中に繊細な匂いをかぎわけるため香水はつけない。
解答
ワインセラーで何が起きていたのか、現場の状況から推理してみよう。
遠藤は後ろから殴られ、意識が遠のく中、とっさにあるワインを手に取った。
それは「女性」を指し示す絵柄の入ったワイン。
招待客が全員女性なのに、何故わざわざ「女性」を強調したのだろうか?
遠藤がエチケットの「女性」で伝えたかった事・・・それは香水の匂いだ。
容疑者の特徴を読み直すと、
香水をつけている可能性があるのは和田英子、ただ一人。彼女が犯人だ。
その後現場からは、彼女の毛髪も見つかり、すぐに自白した。
犯行の動機を聞くと、彼女の父親は、遠藤に会社をのっとられ自殺していたそうだ。
遠藤は、殺意を含んだ彼女の香りを、どんな思いで嗅いだのだろうか・・・。
金田一一の声で聞く
上級 〜High-level

問題

「鶴姫殺人予告事件」

はじめ 「さあ、最後の事件現場は、愛媛県今治市の大三島にある、大山祇神社だ(おおやまづみじんじゃ)」
美 雪 「いよいよ最後の問題ね、はじめちゃん。私も四国まで付いて来ちゃった」 ここって6月に「瀬戸内しまのわ2014」っていう瀬戸内海ゆかりの自治体が行っている イベントの中で、市川海老蔵さんの歌舞伎が行われた神社よね」
はじめ 「でも、今回は歌舞伎ではなく、大山祇神社ゆかりの「鶴姫(つるひめ)」伝説を題材にした 舞台の公演中に起こった事件からの問題だ」
美 雪 「鶴姫って確か、瀬戸内のジャンヌダルクといわれ、わずか18才で海に身投げしたっていう・・?」
はじめ 「そう。事件を振り返ると、公演前日に、主役の鶴姫を演じる本多ちえみ(ほんだ・ちえみ)の 殺人を予告する脅迫状が届いたんだ。「鶴姫のように、海の藻屑となれ」ってね」
美 雪 「ひどい。戦(いくさ)で討ち死にした兄と恋人を想って身投げした鶴姫の事を、海の藻屑って!」
はじめ 「そうなんだ。俺もその言葉が引っかかった」
美 雪 「えっ!?どういうこと?」 はじめ「いや、それは事件の核心につながる大事なことだから、またあとで。 まずは、公演前日に行われた最終リハーサルを見た印象から話そう。 見どころは・・・何と言ってもラストシーン!! 身投げした後、鶴姫が華麗に水中を舞うんだけど、これが、とにかくキレイなんだ~! ぐふふ、タイトな衣装でくびれがバッチリ、おへそもチラリ・・・ ああ~たまんなかったなぁ~」
美 雪 「はじめちゃん・・・!深刻な事件の話をしてるのよ!!(耳を思いっきりつねる)」
はじめ 「うぐっ、いててててて」
美 雪 「もう・・・!でもはじめちゃん、パンフレットを読んだら、 この水中の舞は、海の女神に生まれ変わった鶴姫が、今でもこの海を守り続けている、という、演出家の願いが込められた重要な演出みたいね」
はじめ 「(毅然と)ああ。しかし、この演出は危険も伴う。 危険と美しさが同居しているからこそ、人を感動させるんだけど… 犯人は、芝居中の事故に見せかけた殺人計画を考えているはずだからね。 それで、俺は、細心の注意を払って、最終リハーサルを観察した。 そして解った事は、事故と見せかけて殺害可能なシーンは、 やはりラストシーンの水中の舞しかないってことだ」
美 雪 「ただでさえ危険なのに・・・」
はじめ 「それなんだけど、リハーサルを見て驚いた事が一つ。 水中の舞にスタントが存在する事かな。 アイドル出身の本多ちえみが危険を顧みずチャレンジした! ・・・って話題のシーンだったのに、なんだか見てはいけない舞台裏を見てしまった気分だよ」
美 雪 「でも、スタントがいるなら、ラストシーンは安全だわ」
はじめ 「ところがそうでもないんだ。いくつか気になることがある。
「水中の舞」の段取りを説明する」
・音楽スタート。
・鶴姫が乗った小舟。舞台から宙に浮き上がる。
・辞世の句を詠む鶴姫。
・今まで舞台だった床が左右に割れ始める。
・音楽スタートから20秒後、床の下に海に見立てた巨大な水槽が出現。
・辞世の句を詠み終わるタイミングで一瞬暗転。
・鶴姫からスタントに早変わり。 ・鶴姫役のスタントが水槽に飛び込む。」
美 雪 「大胆な舞台演出ね・・・でも、どこが気になるの?」
はじめ 「このシーンでは、4人のスタッフが重要な役割を担っている。
・小舟を吊り上げる大道具スタッフ:広井隆一(ひろい・りゅういち)
・音楽や効果音を流す音響スタッフ:佐山知之(さやま・ともゆき)
・床の開閉に関わる舞台スタッフ:真田こういち(さなだ・こういち)
・明かりを暗転させる照明スタッフ:泉谷しげお(いずみや・しげお)

そして舞台には、スタントの白河美穂(しらかわ・みほ)、 主役の本多ちえみがいる」
直接、本多ちえみに手を出せるのは、小舟を吊り上げる大道具スタッフだけだ。
一方、音響と舞台と照明の3人と鶴姫役の本多ちえみの息が合わないと、 スタントが床に激突する危険がある。」
美 雪 「じゃあ、怪しいのは、小舟を吊り上げる広井さん?」
はじめ 「いや。宙吊りは最も危険だから、安全管理が徹底している。 それに、このシーンでは、音楽スタートから20秒で床が開くように コンピュータ制御されているらしい。 むしろ、リハーサルを見て気になったのは、早変わりのシーンだ。 スタントの白河美穂が、本多ちえみを突き落とすのはあまりに簡単に思える。」
美 雪 「ねえ、はじめちゃん。さっき、海の藻屑って言葉が引っかかるって言ってたよね。 水槽に飛び込むのはスタントなのに、その前にすり替わっていなくなる 本多ちえみ宛ての脅迫状としては何か変かも。」
はじめ 「さすが、美雪!ではでは、問題です。 ここにリハ―サルと本番の録音テープが・・」
美 雪 「えっ、本番!?結局本多ちえみさんは無事だったの?」
はじめ 「もっちろん!ワタクシこと名探偵金田一一のおかげで犯行は未然に防がれました! じっちゃんの名に掛けて、ね。 では、改めて問題!本番とリハーサルの録音テープを聞き分けて犯人を当ててくれ! 違いが解れば、犯人が浮き彫りになるはずだよ。」

※録音テープは、この下にある「音声を再生」をクリックして聞いてみてください。

<重要な手掛かり「水中の舞 リハーサル・本番音源」>

リハーサルの録音テープ本番の録音テープ
金田一一の声で聞く
ヒント
・一番危険な小舟を吊り上げるシーンは、安全管理が徹底している。監視の目も厳しいか。
・音響スタッフと舞台スタッフは、舞台に立つ本多ちえみと距離が離れていて、手も離せない。
・スタントは、本多ちえみを簡単に突き落とす事ができる。逆に考えれば、事故に見せかけた犯罪は難しい。
・事故と見せかけた犯罪が成立するのは、金田一くんがいうラストシーンだけのようだ。
・スタントは、水に飛び込むため、耳栓をしていて音が聞こえない。舞台暗転が飛び込むきっかけ。
・スタントと本多ちえみの動きは、辞世の句の詠み終わりで舞台暗転、そこで早変わり、スタントが飛び込む。
・コンピュータ制御により、音楽スタートから20秒後きっかりに床が開ききって、水槽が現れる。
・脅迫状には、「鶴姫のように、海の藻屑になれ」とあった。スタントが水槽に飛び込むのに、
 水槽に飛びこまない本多ちえみ宛ての脅迫状としては不自然では。
・犯人の狙いは、ひょっとしたら別の所にあるのでは・・・。
解答
はじめ
「予想通り、鶴姫が辞世の句を詠むスピードが昨日よりも早い。
本来であれば、辞世の句が終わったところで、暗転する演出のハズだがオレの指示で暗転はしない。
小舟の中で呆然としている鶴姫役の本多ちえみ。犯人が晒しものになった瞬間だ。
しばらくして、オレは打ち合わせどおりに照明スタッフに合図を送る。
ここで暗転。早変わりし、飛び込むスタントの白河美穂。
少し間の悪い展開で演出家には申し訳ないが、華麗に水中を舞う白河美穂の姿はこの上なく美しい。
演出家が、彼女を主役にしたかった気持ちがよく解る。

スタントは水槽に飛び込むため、耳栓をしている。だから、暗転がスタントへの合図となる。
本多ちえみは、辞世の句を早く詠み終わり、暗転させ、
床が開ききらないタイミングで白河美穂を飛び込ませようとしたのだった。
宙に浮かんだ小舟から舞台の床までは10m、飛び込んでいたら死亡していただろう。

なんで犯人が解ったか、って?まず、あのシーンで犯行が可能なのは、スタントの白河美穂だけだ。
でも、白河美穂は、あまりに簡単に本多ちえみを突き落とす事ができる。
逆に考えれば、白河美穂が事故に見せかけて本多ちえみを殺害する事は難しい。
そして、脅迫状には「鶴姫のように、海の藻屑となれ」とあった。
白河美穂が水槽に飛び込むのに、水槽に飛びこまない本多ちえみ宛てだと、脅迫状としては不自然だ。
それで、ふと思ったんだ。
脅迫状は、本多ちえみの自作自演じゃないかってね。
自分に対する殺人予告があれば、容疑者とは疑われない。
そして、自分を狙った犯罪者が手違いでスタントを殺してしまった、と見せかける事も出来る・・・。
そんな風に考えたのかもしれない。

解らないのは、動機だったけど、それは後日、本多ちえみ本人が語っている」

本多ちえみ
「実は・・・今回の公演の3か月後、全国5か所の上演が決まっていたんです。
私は、そのことも、主役の鶴姫役が白河美穂ちゃんに代わる事も聞かされていませんでした。
 
せっかく主役の座を得たのに、たった1回だけなんて、あり得ない。
・・・もし美穂ちゃんが怪我をすれば、また私にチャンスが巡ってくる・・・。
事故に見せかけて美穂ちゃんを怪我させるタイミングは、早変わりから飛び降りるシーンしかない。
そんな風に考えていたら、
私のセリフがきっかけで、スタントの美穂ちゃんが飛び込む事に気づきました。
そして、いつもは15秒で詠む辞世の句を、10秒で詠めば、
彼女は水中ではなくステージの床に激突することも。
更に、私が殺されるという犯行予告を出せば、当然私以外の人たちが疑われる・・・。
いま思い返すと本当に愚かな考えでした。
もし、金田一さんが犯行を未然に防いでくれなかったら・・・
私は殺人者になっていたかもしれません。

罪を償った後、もし許されるなら、もう一度、鶴姫を演じてみたい・・・」

はじめ
「しっかし美雪、今回せっかく四国まで来たのに、うまいものひとつ食えなかったよなー。
こんど、スタジオの千野さんにカツオのたたきでもおごってもらおう!
・・・ヤバい、腹が減ってきたぜ。じゃ、この辺で。みんなまた会おうぜ!」
金田一一の声で聞く
樹林伸の挑戦状にいどむ!