タカ９連勝　「地方の鬼」スタン１０勝

　ソフトバンクが接戦を制し、連勝を９に伸ばした。０−１の６回、金子の２点二塁打で逆転した。スタンリッジは８イニングを４安打１失点で、４年ぶりの２桁白星となる１０勝目。サファテが３０セーブ目。楽天は今季ワーストの６連敗。

　真夏の火の国に見参した鬼が、チームに３年ぶりの９連勝をもたらした。８イニング１失点で今季チーム最速、自身４年ぶりの１０勝到達。「ヒサシブリネ。２桁は先発として大きいよ」。熊本のファンの声援を浴びて、スタンリッジが誇らしげに笑みを振りまいた。

　気合がボールに伝わった。初回は７球で三者凡退。１番から３人並ぶ左打者をテンポよく料理した。４回に４番のジョーンズに先制二塁打を浴びても、動じない。「同じことを繰り返すわけにはいかない」と、６回２死三塁のピンチでは４回と同じスライダーを、今度は外角低めにきっちり制球してジョーンズを空振り三振に仕留めた。

　前回のソフトバンク、阪神時代を含め、日本通算７年目。開幕からローテーションを守り続ける助っ人右腕は、いまだ経験のない優勝を目指してマウンドに立つ。「そうなるように自分がやるべきことをやる」。地方球場での先発試合はこれで７勝無敗。「地方の鬼」の異名通り、場所を選ばない快投で後半戦は自身４戦４勝となった。

　離脱中の本多の代役で起用されている金子が６回に２点打を放ち、リーグ最多３１度目の逆転勝利。故郷で年に一度の主催試合を制し、秋山監督も納得顔だ。「代わりの連中が頑張ってくれている。今頑張らないでいつ頑張るんだ」。８月の黒星は１日だけ。勢力を保ったまま、白星街道を一直線に突き進む。（山本泰明）