【ニューヨーク、ナイロビ=共同】カナダ公衆衛生庁のテイラー副公衆衛生監は12日、西アフリカで猛威を振るうエボラ出血熱の予防に使うため、最大で千回分のワクチンを提供する考えがあると表明した。カナダ通信などが報じた。
緊急事態への対応として、世界保健機関(WHO)が開発段階の未承認治療薬についても条件付きで投与を認めたことを受けた措置。臨床試験が済んでいない段階のワクチンであるため、予防効果や1人当たりに必要なワクチン量は不透明な面がある。
カナダはワクチンを約1500回分保有している。今後のワクチン研究などに備え、一部は残す必要があり、800~千回分の範囲での提供を検討している。公衆衛生庁はWHOや米国と最善の提供方法について具体的な協議を始めた。
WHOのキーニー事務局長補はジュネーブでの12日の記者会見で、ワクチン2種類が開発段階にあり、臨床試験が9月末までに行われる見込みだと明らかにした。キーニー氏が言及したワクチンとカナダのワクチンとの関係は不明。
キーニー氏は「緊急措置としてのワクチン使用を検討するための初期データ」を集めるには年末までかかるとの認識も示していたが、早期のワクチン使用が実現する可能性が出てきた。
9日までのWHOの集計によると、疑い例を含めた死者はギニアなど4カ国で1013人に達した。
ワクチン、WHO、カナダ、ワクチン提供