最低賃金:時給14円引き上げ748円答申 逆転解消へ

毎日新聞 2014年08月12日 20時26分

 北海道地方最低賃金審議会(道幸哲也=どうこう・てつなり=会長)は12日、道内の最低賃金を時給で14円引き上げ748円とするよう、羽毛田守・北海道労働局長に答申した。10月8日から答申どおり適用される予定で、最低賃金が生活保護水準を下回る「逆転現象」は解消する。

 道内の最低賃金は現在734円。生活保護水準を11円下回っており、その差額は全国で最大だった。

 中央最低賃金審議会は、北海道の引き上げ目安額を14円とした。これに対し労働者側は、現在の全国平均の最低賃金に引き上げた上で、全国平均の引き上げ目安額16円を加算し、780円(46円引き上げ)にするよう主張。一方、使用者側は逆転現象が解消される11〜12円に抑えるよう求めた。最終的に両者が歩み寄り、全会一致で決まった。

 答申後、使用者側委員の崎広美智雄・道経連労働政策局長は「中小零細企業の経営の厳しさを主張したが、一定程度、反映された」と述べた。労働者側の永田重人・連合北海道組織労働局長は「逆転現象の解消という当然のスタートラインに立ったが、満足できる額ではない。しかし、答申に2020年度までに『全国平均1000円を目指す』との文言が盛り込まれ、今後への道筋をつけられた」と話した。【山下智恵】

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