「本当にその人が好きだったら、握手したくならない」:ラリー遠田氏の客観的目線にハッとした

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この方の客観的に捉える視点はスゴいと思います。

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インターネットラジオ『ハマれないふたり』の第11回放送分よりピックアップ。

 今回は先日、きゃりーぱみゅぱみゅさんが一般人の方に無断で写真を撮られたことについての話題について語っておられます。

芸能人が常に抱えている、写真を無断で撮影されるという行為。最近では、TwitterなどのSNSにも簡単に投稿できるようになってしまったため、この件に関して苦言を呈している芸能人は少なくありません。そんななか、この件に関するハマれないふたりの独特の視点が面白かったのでピックアップしてご紹介します。

 

しゃべるひと

  • 梅田カズヒコさん(プレスラボ代表取締役)
  • ラリー遠田さん(ライター、お笑い評論家)

ラリー:そもそも、なぜ撮りたいのかって思うんですよね。撮りたいですか?どうですか?

梅田:撮りたく…はないですね。

ラリー:例えば、サインとかほしいですか?

梅田:ぼくはないですね。でも、客商売をやっていたことがあるんですけど、バイト先とかに芸人人がくるんですよ。

で、好き人が来ると嬉しいじゃないですか、それは。だから、「いつも見てます」みたいなことは言いたくなるし、伝えますね。

ラリー:うんうん。

梅田:その程度ですかね。

ラリー:なんかね、そこが根本的な疑問で。そんなもんだと思うんですよ。ほんとに好きな人って、本人の邪魔したくないと思いませんか?

梅田:そうですね。まぁ、にわかな人ですよね。

ラリー「サイン下さい」とか「写真撮らせてください」とかって、すごく自分のためにやってるというか、その人の迷惑を考えず、みたいな。

梅田:はい。

ラリー:ここで話しかけると、その人が周りの人に気づかれて迷惑だろうなぁとか、っていうことじゃないですか。

本当に好きな人はそう考えると思うんですよ。だから、むやみにいかないと思うんですよね。

梅田:そうですね。

ラリー:だから本人も不快に思わないというか。

梅田:やっぱでも、ああいうことをする人はぼくらとは違う志向性の人ですよね。だから、ちょっとその人の気持ちにならないと僕らはわからないんでしょうね。

なんかそういうのあります?遭遇エピソードみたいな。

ラリー:ぼく、遭遇しても絶対話しかけたりしないですからね…。

梅田:それこそ、ラリーさんってライブとかやられるじゃないですか。そしたら、誰かのライブに誘われて行ったら、客席に大物のあのひとが!みたいなのは?

ラリー:そういうのはよくありますよね。

梅田:そういうときって何も思わないですか?

ラリー:…そうですね。そもそもそういうのないからなぁ、ワーってなるのが。よっぽどじゃないと。

梅田:同行者に言いたくならないですか?「あそこに◯◯いるよ!」とか。

ラリー:それも言いたくないですね。なんか「ださいな」って思うんですよね、その言う感じが。

梅田:でも、俺はそこはちょっと言いたくなっちゃうんですよね。

ラリー:まぁ、それも分かるけどなぁ。

そもそも、その「なぜ撮りたいか」みたいな…。だから、「握手会」そうなんですよ。

梅田:あぁ、握手会ね!

ラリー:根本的な疑問があって、

梅田:握手したいのか?ってことですよね?

ラリー:っていうか、ほんとにその人のことが好きだったら「握手なんかしたい?」って思っちゃうんですよ。

梅田:ん?

ラリー:例えば、Aさんというアイドルがいたとして、Aさんの立場だったらあなたみたいな気味の悪い得体の知れない男性と手を合わせるということをしたいと思ってますか?って気がするんですよ。

それを、自分の欲望だけで「私が!俺が!Aさんと握手したいんだ!」っていう一心で、お金払って握手しにいくわけでしょ。そこは意味がわからないんですよね。

梅田:まぁ、意味はわからないですけど、一方でそういうものになっちゃってますからね。特にAKB以降のアイドルは、基本握手会はやるものだというスタンスですからね。だから、難しいですね。

 

好きな芸能人ならともかく、「テレビで見たことがある」レベルの認知度の方でさえこのようにサインを求めたり、写真を撮ったりする行為は善悪はともかく納得できます。というか、割と普通な反応なのではないかとすら思います。

この対談では、どちらかというと一般的な感覚に近い梅田さんとその対極にいるラリーさんという構図になっているのですが、ラリーさんのようにここまで物事を俯瞰できるのはスゴいと思います。

好きな芸能人がいるから声を掛けたい(握手をしたい、写真を撮りたい)という自分の欲望より、それをされる側を配慮したり、その心理状況、その後の予測などかなり冷静に物事を観察できていないとここまで考えられないですよね。やっぱ普通、好きな芸能人を街で見かけたら「応援してます」くらいは言っちゃうと思います。

それを踏まえて読み進めていくと、最後の握手会に対する意見もすんなり飲み込めます。さすがのハマれなさです。これらの行為に対する好き嫌いの判断はともかく、自分が当事者目線に立ったときのことをここまで客観的に捉えることができるラリーさんの観察眼に驚いたエピソードでした。

 

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