■開閉会式の会場は未定
アルペンスキー滑降・スーパー大回転が行われる中峰スキー場(江原道旌善郡)は今年5月に工事が始まったが、やはり招致申請書の着工日(11年9月)からかなり遅れた。
スキー場が建設される旌善郡の加里王山は、山林庁が「国家山林遺伝資源保護区域」に指定し、管理している場所だ。五輪組織委員会は「標高差800-1100メートル、平均斜度17度以上という国際スキー連盟(FIS)五輪滑降コース規定を満たしているのは加里王山だけだ」と説明している。
11年7月の冬季五輪招致決定後、韓国の環境団体は「五輪滑降種目が加里王山で行われれば環境が損なわれる」とスキーコース建設に反対している。これに対し五輪組織委員会は、環境破壊を最小限に抑えるため、五輪で初めて男女滑降競技を同じ場所で行うよう先日、計画変更した。
組織委員会が最も頭を抱えているのは、開会式・閉会式の会場だ。会場は場所さえまだ決まっていない。招致申請書にはスキージャンプ場(平昌郡大関嶺面のアルペンシア・リゾート)を拡張して開会式・閉会式会場として使うと書かれていた。しかし、観客の便宜など運営上の問題点が取りざたされており、政府は平昌郡大関嶺面横渓里に会場を作ることを検討している。
問題は、約800億-1000億ウォン(約80億-100億円)という建設費がかかる開会式・閉会式の会場の事後活用が容易でないことだ。3万-4万席作り、五輪後に1万席だけ残す案もあるが、同地域の人口は4万5000人と少なく、都市部からのアクセスも良くないため適切な活用案がない。
平昌郡ではなく江陵市内で開会式・閉会式を行うことも検討されている。文化体育観光部のハン・ミンホ国際体育課長は「開会式・閉会式の会場は平昌五輪を象徴する場だけに、江原道と組織委員会、国際オリンピック委員会(IOC)と綿密に協議した上で、場所や事後活用について決めていく方針だ」と語った。