2011年7月。南アフリカ共和国のダーバンで2018年冬季五輪の開催地が「平昌」に決まった時、国民は歓喜した。1988年のソウル五輪、2002年のサッカー・ワールドカップ(W杯)韓日共催に続き、全世界が注目する冬季五輪を開催することに誇りを感じていた。だが、それから3年たった今、活気に満ちているはずの江原道平昌郡には重い空気だけが漂っている。工事に遅れが出ている競技場施設、ぎくしゃくする組織…。スポーツ界関係者の多くは「このままでは18年に平昌はもちろん、韓国が世界中の笑い物になるだろう」と心配している。さまざまな雑音が聞こえてくる中、前組織委員長の辞任に伴いようやく先月選出された趙亮鎬(チョ・ヤンホ)平昌冬季五輪組織委員会委員長(韓進グループ会長)が11日、正式に業務を開始した。あと3年6カ月という時間残っているが、五輪を成功させるにはギリギリだ。平昌五輪が進むべき方向を3回に分けて診断する。
平昌冬季五輪のマスタープラン通りなら、新設予定の競技場は現在、工事が半分以上進んでいるはずだった。
五輪が行われる13の競技場のうち、新設予定は6カ所。ところが、スピードスケート場はまだ着工もされておらず、ほかの競技場も工事を始めたばかりの段階だ。
五輪開催地では、開催1年前に競技場施設や運営状況を事前チェックするため、開催地の競技場でテストイベントを行う。平昌五輪のテストイベントは17年2月がふさわしいとされている。
このため、16年10月までには全工事を終えていなければならないが、工事は遅遅として進んでいない。
■スピードスケート場はこれから設計やり直し
平昌五輪招致申請書によるとスピードスケート場の着工時期は12年9月だった。しかし、まだ着工式も行われていない。競技場を永久施設ではなく、大会後に撤去する臨時施設に設計し直すと最終決定されたのがわずか十数日前の先月31日だ。着工は早くても来年上半期と見られている。
スピードスケート場の着工が遅れたのは、文化体育観光部(省に相当)と平昌組織委員会、江原道の方針がこれまでかみ合っていなかったからだ。競技場の建設主体である江原道は当初、五輪終了後にスピードスケート場をウォーターパークとして活用させる方針だった。