終戦前夜の1945年8月14日夜に秋田市を襲った土崎空襲から69年となるのを前に、「土崎港被爆市民会議」が12日、漫画「はまなすはみた」を完成させた。空襲体験者が年々減る中、「子どもたちに記憶を伝えたい」との願いを実らせた。市内の小中学校や図書館に寄贈するほか、書店にも店頭販売を依頼する。

 漫画はA5判で69ページ。住民に避難を呼びかけて救助に当たった警防団員や警察官、布団をかぶって逃げる家族、息子を失った家族など、五つのエピソードから空襲を描く。末尾に地図や基本資料も載せた。

 5月に市民会議の依頼を受けた大仙市の漫画家、佐藤清勇さん(62)が、証言集などをもとに約1カ月で描き上げた。「遠い親戚が土崎出身で何となく思い入れがあった。必要のない空襲だったということを子どもたちに伝えたかった」。