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【全文】大前研一講演:泥沼を這い上がったストリートスマートから学ぶ「経営者の勘所」

 先日、2008年のリーマン・ショック以降、下降線を辿っていた国内未公開ベンチャー企業の資金調達額が、2013年に引き続き、2014年も増加傾向となったという発表がなされました。また、設立して間もないベンチャー企業が10億円以上の大型資金調達を相次いで発表し、グローバル展開を進めていくなど、起業家にとっては世界と対等に戦っていける環境が整いつつあります。

 そんなグローバルなステージで戦う経営者を目指す上で必要不可欠なスキルが「問題解決力」。そして、その問題解決力の養成に最も力を注いでいる機関が、日本を代表する経営コンサルタント・大前研一氏が学長を務める「ビジネス・ブレークスルー大学大学院」。ビジネス・ブレークスルー大学大学院は、オンデマンド方式で講義を配信し、仕事と両立させながらMBA取得を目指すことができる国内有数の経営大学院です。今回は、そのビジネス・ブレークスルー大学大学院での講義の魅力を少しでもお伝えするため、学長である大前研一氏の講演の一部を書き起こしました。

 円高や増税など経営環境の厳しい現代日本において、経営者の多くは、事業不振の原因を外部に求め、言い訳を並べ立てる傾向にあると大前氏は語ります。しかし、戦後混乱期をしたたかに生き抜き、世界を相手に成長を続けてきた日本企業の経営者たちがいました。彼らは、答えを求めて苦悩しながらも自分自身の感覚を信じ、結果として成功を手中にしてきたのです。あまり逆境と向き合う機会がないまま、経営者・起業家への一歩を踏みだそうとしている若者に、戦後の混乱した社会を生き抜いてきたストリートスマートたちが実践してきた経営哲学を参考にし、現代を生き抜く術を大前氏が伝授します。

戦後のしたたかな経営者の多くは、本能的な感触、触覚を持つ「ストリートスマート」 

 経営者というのは、今ほとんど世の中のせいにしているんだよね。円高だからどうしようもないとか、政府は何にもやってくれないとか、そういう言い訳が多すぎる。とにかく最近経営者と話していると、自分(経営者)が本当に努力してるのかと、そういう感じなんだよね。どちらかというと、今の経営者というのは自分以外のところに問題を見つけようという、エクスキューズが多すぎる。これは多分、今の経営者の人は修羅場を通ってきてないからだと思うんだ。

 戦争が終わった後の経営者というのは、何しろ修羅場を日本全体が通ってる。それで戦争が終わった後、日本の1人あたりGDPは300ドル。草の根まで食べてる、そういう時代だよね。だから、ノーエクスキューズの状態で財閥が解体されて、そして零式艦上戦闘機を作ってた会社も鍋釜を作らないといけないと。そういう時は、やっぱりしたたかなやつがどんどん出てきたのよ。日本の経営史を読むと、したたかな経営者というのは、いわゆるストリートスマート。ストリートスマートというのは、アカデミックスマートと呼ばれる学校の出来る子と違って、嗅覚とか感覚が非常に研ぎ澄まされているわけ。今、何作ったら売れるかということに、非常な勘がある。今の経営者には、これがなくなってるんだ。

 だから、ビジネス書や日経新聞を読むにしても、こういうのはアカデミックスマートの連中が書いてる。だからみんながだんだんそれを読めば読むほど、本能的な感触、触覚を失ってくる可能性がある。だから僕は、日本の戦後史から学ぶとよく言っているわけだ。「私の履歴書」も、最近面白くないよな。だめ。子供の夏休みの日記みたいに、「朝起きて歯を磨いてどうのこうの、宿題をして午後は遊びました。今日一日楽しかった」って40日分書くんだからね。こういうやつの「私の履歴書」って全然面白くない。

戦後、レジャー事業に目をつけたヤマハ「川上源一」

 僕が感動した「私の履歴書」は、川上源一。ヤマハの中興の祖なんだけども、川上源一は戦争が終わって、そのすぐ後に苦労してアメリカに行くんだよ。当時のアメリカは、ハワイを経由して、船で行くんだな。結構大変なんだよ、行くの。そして行ってみて頭に来たと。なぜかというと、戦争が終わったばかりで日本がまだ貧しくて、みんなが食うか食わずの生活をしているのに、みんなは遊んでいると。それで彼は悔しいということじゃなくて、「そうだ、日本も復興してきたらレジャーが大きな事業になるかもしれない」と思って、彼はヨットやスポーツ、楽器などをどんどんやるわけよ。だから彼の原点というのは、「アメリカ人は、戦争が終わってまだ間もないのに、こんなことをやって楽しんでるんだ」と感じたところなの。人生楽しむということが実は事業になるんだと、そこで感じたんだよね。

 彼は、もともとオルガンとかを作ってた会社なんだけども、そこからピアノを作ろうと始めるわけだ。でもこの人は、高校出たか出ないかぐらいの人なので、あまり学問は関係ないんだけども、いいピアノを作るにはどうしたらいいかという発想をするんだよね。そうすると、まずは弦によってどう音が違うのかと、同じピアノの弦を張って、違う木でピアノを作ってみる。そうすると、同じ木でも半年乾かしたものと2年乾かしたものでどう音が違うか。それから今度は、同じ木で弦の違うものをやるとかね。それから鋳物で弦を両側にやって引っ張るんだけど、その鋳物の種類によってどのぐらい音が違うかとか言って、バラバラにしちまうわけだ。それで18万通りのピアノを作るわけよ。その18万通りでもって、いいピアノというのはこう作るという研究してるわけ。学校は行ってないんだけど、今のドクター論文よりも精巧なものをやっていた。

 だから、ヤマハが世界一のピアノメーカーになるんだけれども、その原点というのはこの川上源一の科学的アプローチなんだ。サイエンティフィック・アプローチ。そして、この曲げていく技術をマスターすると、今度はスキーに入っていくわけだ。当時は、スキーも板を同じものだから。テニスのラケットも弓道もアーチェリーも。そのうちの一部が繊維強化プラスチックのFRPになるんだけれども、FRPになったら今度はボートまでやり始めるわけよ。川上源一は、いつもルーツは同じなんだよね。

商売の原点は、アメリカに最初に行った時の衝撃

 彼が勉強したのは、唯一「孫子の兵法」だけ。孫子の兵法を勉強して、何回も何回も読んで、2600年前に書かれた非常に優れた戦略のあることに注目する。それは何かというと、日本でもピアノを普及させたいけど、みんなピアノを買うお金がない。どうやったらピアノを買ってもらえるかと考え、病院に行って赤ちゃんが生まれた時に「おめでとうございます」と祝いに行った。そして、今から毎月1000円ずつ貯金をしていただくと、うちのピアノおばさんが来て集めてあげると。そうして、ちょうどいい歳になるとピアノが買えるようなお金が貯まってくるので、日本ではそのようにして十数年間お金を貯めて、ピアノを買っていたと。それに加えて、4歳からピアノ音楽学校においでと誘い、ヤマハ音楽教室を作っていくわけだな。その結果、日本はピアノを弾ける人が世界で一番多くなり、結果的に家庭におけるピアノの浸透率が20%超え、ドイツ、アメリカよりもピアノの浸透率が上がっちゃったわけよ。

 だから、この川上源一は全部本能で感じているわけだ。どうしたらいいかと。そして、そこに必要な学問というのは、孫子の兵法だけだよ。そして、そのうちスタインウェイという世界一のピアノメーカーが売りに出たんだよ。当時20億円ぐらいだったな。20億といったら当時のヤマハだったらはした金みたいなもんだから、川上さんのコンサルティングをやっていた僕は「スタインウェイ買えますよ。どうですか?」と言ってみた。そうすると「俺は、スタインウェイに追いつき追い越そうと思って一生掛けてきた」と。「今、金で買えるからといって買う気はしない」と言って、彼は買わなかった。僕は買っときゃよかったと思うけどね(笑)ベヒシュタインとベーゼンドルファーとスタインウェイというのは、ピアノ製造御三家って言われてたんだけど、今はベーゼンドルファーなんか買っちゃって。ベーゼンドルファーを買うぐらいだったら、スタインウェイ買って全然問題なかったんだけど、彼の言い分はわかるよね。一生あいつに追いつき追い越そうと思ってやってきたのに、20億と聞くとがっかりすると。仮に2000億と言われたら彼は買おうとしたかもしれない。ただ20億というと、やっぱり当時の彼にとってははした金だった。

 こういう物語は、今の「私の履歴書」には書いてない。この彼がアメリカに最初に行った時の衝撃、これが彼の商売の原点だ。レジャータイム、これが商売になるんだというのを初めて知ったと。今の「私の履歴書」は、なんとか東京大学に受かりまして、なんとかこういうところに就職できましてって、なんとかって、半分自慢話じゃんか。面白くもおかしくもないよね。それでお前は平凡な人生を過ごしたなっていうんだけど、日経新聞的にはやっぱりそこそこの人だから「私の履歴書」はそうなるわけだ。だから昔のやつをいくつか読んだらいいよ。つまり日本の戦後史は、苦労の歴史なんだよ。食うや食わずの苦労の歴史。

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日本人って本当に働きすぎなの? 海外の働き方まとめ


by paranoidnotandroid

 海外から「日本人は働きすぎだ!」とか、出勤ラッシュ時のすし詰め状態の満員電車を「信じられない!」「息ができない!」などと言われたり、日本人の働き方は世界から見るとかなり異質に見えるようです。実際に日本に住んでいると、「働きすぎだな……」とは思いつつ、比較対象である日本のビジネスマンもかなり働いているので、どれくらい働きすぎなのかなかなか分かりづらいのでは。では、比較対象を海外に向けてみましょう。

ドイツの場合

by fdecomite

 自動車・鉄鋼・化学・機械などの産業が有名で、EU最大の経済大国であるドイツ。勤勉に働いているイメージがあるが、実際はどうなのでしょうか。

休暇

ドイツでは、4週間続けてバカンスを取るのは珍しくない。

断っておくが、病欠は有給休暇とは別の休暇である。病気のときは、病欠を取ればよい。医師の診断書があれば、最長6週間までは病欠でき、その間は給料も支払われる。有給休暇は、あくまでも楽しみ・休養のために使うものなのだ。

出典:「仕事が残ってても休みます」経済大国ドイツの人の働きかた

労働時間と働き方

自分の仕事も明示されているため、ドイツ人は自分の担当以外の仕事は、やらない。ドイツに来て「それは私の仕事ではない」という一言を幾度か聞き、突き放された気持ちになることがあった。日本人の私には冷たく感じられたが、ドイツの合理的な働き方を考えれば、そういう対応になるかもしれない。

目的を遂行するために、無駄なことはしない。そう、ドイツ人は合理的なのだ。

出典:「仕事が残ってても休みます」経済大国ドイツの人の働きかた

スウェーデンの場合

by flo_p
 ノーベル賞やIKEAなどのインテリア・雑貨、H&Mなどで有名なスウェーデン。高い税率だけど手厚い社会保証や、女性の社会進出などで有名なスウェーデンの働き方は?

休暇

一般企業では通常年5週間の有給休暇を認めていて、ほぼ全ての人がこれを取得します。病気で仕事を休む場合は別の休暇適用があり、有給休暇はあくまでもリフレッシュするためのものです。多くの人は6月中旬から8月中旬の間に取得し、この期間スウェーデンでは夏季シーズンとして交通機関の本数が少なくなったり、お店の営業時間が短くなったりします。

出典:長期休暇が取れる環境 | スウェーデンスタイル・コム

だいたいの会社で有給休暇1日に対して会社がお小遣いを支給してくれます。

出典:スウェーデンの有給休暇|Eriko|note

労働時間と働き方

もちろん残業はあります。仕事内容と時期にもよりますが、人によっては日本並みの残業をこなさなければいけない人もたくさんいます(例えば月30時間以上オーバー等)。それでも、法律で月50時間以上、年に200時間以上の残業は禁止されています。

日本と違う所は、スウェーデンは日本に比べてめりはりがあるということでしょうか。私個人の感覚では、日本ではほぼ恒久的に残業をしなければ仕事が追いついていかない感がありますが、スウェーデンはたくさん残業をこなさなければいけない時期がある一方で、はやく家に帰ることが出来るときは皆ためらいなくさっさと家に帰ります。それに夏は多くの人がバケーションでお休みをとるので、全体的な仕事の量とペースが一般的にぐっと落ちます。

出典:jobba - Stockholm Diary
アメリカの場合

スウェーデンでは仕事の分業化が明確で、ひとりひとりが自分の仕事にのみ責任を持ち、他人の仕事に関わらない。担当者が休めばその仕事が滞るだけ で、同僚が手伝うことはない。そのことが、同僚に迷惑をかけずに育休や病欠が取れる理由。

出典:日本とスウェーデンの働き方の違い - Togetterまとめ

アメリカの場合

by rkramer62

 経済における世界の中心といっても過言ではないアメリカの働き方はどうなのだろうか?

休暇

アメリカ人は、休暇を当然の権利というよりは贅沢と捉えている。実際アメリカは、先進国中、有給休暇の保証のない唯一の国だ。

出典:意外と残念なアメリカ人の休暇事情 - IBTimes:世界の最新ビジネス ...

平均14日間の休暇を取る余裕があるにもかかわらず、実際に取得しているのは10日のみで、4日は残している。

出典:意外と残念なアメリカ人の休暇事情 - IBTimes:世界の最新ビジネス ...

アメリカ人の多くが有給休暇の権利を持っていないだけではない。たとえ付与されていても、消化できずにいるケースも多い。不況のあおりを受け、労働者が職場での賛同を得られなかったり、職を失うのではないかと不安を抱いたりしているのも一因だろう。

出典:「有給休暇」日本よりアメリカのほうが悲惨? - ハフィントンポスト

労働時間と働き方

アメリカ国内でも時差があるために早朝、あるいは夜遅くまで勤務をしなければならないという事情もあるが、朝 6 時に出勤している人も知っている。同部署の人が残業していても、上司が残業していても平然と帰ることが出来るのは驚いたアメリカ文化である。

出典:アメリカで就職:休日、祝日 - おでかけ.US

アメリカ人はまた、エキストラなお金の為にいくつかの職を掛け持ちしている人も少なくはない。そのエキストラなお金で豪華な休暇を満喫したりするのである。

出典:アメリカで就職:休日、祝日 - おでかけ.US

アメリカの社会ですと、基本的に『結果』がもっとも重要視されます。

出典:プライベートを尊重する会社 - アメリカに住むサラリーマンのブログ

私の会社では基本は社員のプライベートを出来る限り尊重しようとする傾向があります。


もちろん緊急で重大な仕事の場合はプライベートよりも仕事が優先されることはありますが、調整が可能である場合には、お互いの状況を理解した上で一番よい時間で調整します。

このひとつの理由は、モチベーションを保ってもらい、可能な限りよい状態で最大のパフォーマンスで仕事をしてもらおうという心遣いがあります。

特に家族のために時間を使う場合は、会社は一方的に仕事を優先させるようなことはなく、家族のことも考慮したうえで調整します。

出典:プライベートを尊重する会社 - アメリカに住むサラリーマンのブログ

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【GREEもInstagramもパラレルキャリアから生まれた!】パラレルキャリアという働き方

  • 2014/08/02
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  • Rio

 
 残業代ゼロ法案が推進されるなど、時代の流れは終身雇用制から裁量労働制にシフトしつつあります。また、転職市場は求人数が前年比17.2%増となるなどかつてないほどの買い手市場となっています。そんな中、新たに出てきたのが「パラレルキャリア」という働き方。では、一体どのようなものなのでしょうか?

■1人が何枚も名刺を持つ時代?!パラレルキャリアとは

 パラレルキャリアとは簡単に言うと、ビジネスパーソンが本業を続けながらもう1本の軸を持って活動して、何らかの対価を得ることです。「自分のやりたいこと」や「挑戦したいこと」を本業の傍らで行えば良いのです。趣味に関するECショップを運営するも良し、土日にNPOに参加するも良しです。

 では、わかりやすいよう実際のパラレルキャリアの例を挙げてみましょう。

GREE株式会社 

 売上1600億、営業利益800億の急成長企業としてGREE株式会社。実はこの会社、元々は現社長の田中良和氏が楽天で働きながら個人で立ち上げたサイトが始まりだったのです。急成長を遂げ、田中氏は楽天を退社後に法人化しました。

Instagram

 ユーザーが最近2億人を突破した大人気写真投稿アプリ、Instagram。今となってはFacebookに10億ドルで買収されるほどの規模となりましたが、元々は収入0円のアプリだったのです。創始者のケヴィン・シストロム氏は本業のマーケティング業の傍ら、夜間に独学でプログラミングを学び立ち上げたというから驚きです。まさにパラレルキャリアと言えるでしょう。

■なぜ今パラレルキャリアなのか

 今、終身雇用制が形骸化しているのは紛れもない事実です。つまり、1つの仕事に一生従事するということはほぼ有り得ないのです。また、元気である限りなんらかの仕事や活動をする時代になってきており、仕事に対する価値感も変化してきています。ただ生活のために稼ぐ手段ではなく、いかに自分を磨き、心を豊かにするかという軸にシフトしつつあるのです。そういった意味でパラレルキャリアは、いくつかの仕事を横断することで様々な可能性を切り開けるという、現代に合った働き方であると言えますね。

■自分のやりたいことはやった後でしかわからない

 やりたいことが見つかってから、計画して期間を決めて実行しようなんて考えている方も多いのではないでしょうか?でも、自分のやりたいことなんて自分の欲求なのですから、実感を伴わなければ判断できないのではないでしょうか?つまり、「やりたいことは頭でいくら考えても、実際に体を動かさなければわからない」はずです。そのためにもやってみたかったことや好きなことをまずは行動に移してみること、これが一番大切なことですね。

 
 会社に勤めている以上、本業ではある程度会社のミッションに照らし合わせて行動しなければなりません。自分で自分のモチベーションをコントロールしなくてはならないのです。一方で、パラレルキャリアであれば自分自身の志で自分自身のビジネスを創り上げることが出来ます。やってみた結果で自分のやりたいことが少しずつ洗練されてくる、自分の人生に納得できる働き方、これこそがパラレルキャリアなのです。今好きなこと、やってみたかったことがある方は、是非この機会に始めてみてはいかがでしょうか? 

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