2014年02月25日

第八子、命名!

 いつも検診を受ける産科はエコーを見ながら得意げに性別を告げようとしますが、私は拒否しています。胎児の性別を判断できるのは医学ではなく超音波の工学が高度化しただけで、医者は何も偉くないと思っています。
 私が自宅出産を選ぶのは、通常分娩にもかかわらず、病院出産に依存しすぎるからです。妊娠やお産は病気ではありません。事前の検診で胎児に病気が見つかる、双子、逆子、3kgを大幅に体重が上回る、母親が不健康などの場合は、言われなくても病院にお願いします。

 しかし、それ以外の場合は科学依存の病院でなくてもいいと思っています。むしろ、通常分娩を家庭で行えば、難病や救急の患者を優先することができるので、医者や看護師の負担は少なくなり、患者側もしっかり見てもらえるので患者側もありがたいのではないかと考えています。

 さて、そのような中で第八子は無事、我が家の4.5畳の間で生まれました。元気な産声を早々に聞けたので、それまでの不安は一気に吹き飛びました。第二の出産と言われる胎盤の取り出しも、4時間後にできました。
 母子ともに無傷、無出血でした。これまで8人の子どものうち6人が助産師なしの自宅出産です。私たちは運が良く、なんとか無事生まれてくれました。野生動物の世界では当然助産師も医師もいません。運良く生まれ育った命だけが、この地球で生きていけます。

 そう思うと、なおのこと授かった命に感謝が増します。妊娠したらまともに生まれるのが当然、ではないのです。そういうおごりが科学依存社会を形成し、何かあるとすぐ「訴えてやる!」という風になり、次第に殺伐とした社会に進んでいるように感じます。出産に直接かかわると、「神秘的」。とても人間の科学力など遠く及びません。

 ところで第八子も一旦2,400gまで体重は落ちましたが、その後母乳に支えられて元気に過ごしています。牛や馬はその日のうちに自分で立ちますが、人間は1年もかかります。成人になるまでは20年もかかります。その間、さまざまな環境の影響を受けて育っていきますが、なかなかまともに育つのは希です。

 これから親のもとで暮らす時期は大変重要だと認識しています。子どもへの思いを適確にあらわすのが名前です。唯一、親に与えられた権限でもありますが、もらった名前を喜んでくれるかどうかは、子ども本人なので今は何とも言えませんが、今回も名前を一生懸命考えて決めました。

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【大あくびする「こだまこ」。赤ちゃんは不思議ないきもの。無数の神経、血管が一本も狂わずにつながっているかと思うと、神様がいる、授かりもの・・・と思ってしまう。】

 名前は「こだまこ」です!我が家の上3人は、漢字ふた文字。(詳細は本HPのコーヒーブレイク。依奈(えな)、亜和(あや)、麻衣)そのあと、男が朴然、次が、さわみこ、こはづきと来て、第七子が万然です。
 つまり、上は漢字二文字、男は自然の然を取った二文字四発音、そして今回の第八子。これまで通り、医者には性別を聞いていないので無事生まれてくるのかどうかも含めて未知の世界でした。

 取り上げてしばらくして「アッ、どっちだったかな?」思って確認したら女の子でした。そのくらい性別より無事生まれるかどうかの方に頭がいっぱいでした。
 そして昨日朝、しげしげと万然用にいただいた京都の荒瀬様の色紙を見ていたとき発想が生まれました。

 第二弾の女三人組は最も日本的な「ひらがな」にしよう。しかも四文字。「さわみこ」のしりとりで「こはづき」。では次は「き」が頭文字。随分考えましたが、なかなか出てきませんでした。そして浮かんだのが「木霊」です。木霊はこだま。森の精です。木は「キ」で古来の日本語では「イ」と「ル」が省かれて、「イキル」の「キ」。漢民族は「木」を象形文字で表しましたが、日本民族は「イキモノ」で捉えました。このあたりが民族性の違いでしょう。

 つまり、木霊(こだま)の頭文字は「木」ですが、音は「コ」。この「コ」を「こはづき」から引き継ぎ、最後の「こ」は「さわみこ」と同じように平安時代以降明治時代まで女の子に使われた「子」を使いました。したがって、五女・さわみこ、六女・こはづきからそれぞれ「こ」をいただき、後半三姉妹も前半三姉妹と同様、仲良く協力して生きていってほしいという願いが込められています。

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【気持ちよさそうに入る沐浴。羊水と同じように感じてくれているのだろうか?】

 ところで、「なぜ、木霊(こだま)か?」というと、伝統的な木造住宅の設計に携わる私が日頃思うのは、建て主も含め使われる生産地の山々のことが忘れられているのではないか?ということです。
 木を「イ木モノ」でとらえる日本的な感覚を取り戻すために、深い山に想いを寄せ、その森に棲む精霊の声が届くような家づくりをしていきたいと思っています。「こだま」は「やまびこ」とも呼ばれます。「ヤッホー」と山に呼びかければ「ヤッホー」と返ってきます。そしてその声は深い山々に響き渡ります。姿は見えなくても、音は聞こえます。現在、目の見えない第七子の万然も声は聞こえるのと同じです。

 「こだま」するには、深い山が必要です。自然の山には無数の生きものが生息します。その命の根源である空気(酸素)と水を供給するのが「森林(やま)」です。
「こだま」の「子(こ)」、「こだまこ」が将来、日本の自然を守り、育てるための一助となることを、心から祈っています。

 昨日(2月24日)、役場に出生届を提出しました。この日は、妻の40歳の誕生日でした。また、タイムス住宅新聞で「木霊(こだま)の響く家々」という連載を5月からスタートすることも決まりました。偶然は重なるものです。

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【四文字のひらがなの名前でつながった下三姉妹。さっそく、まだ目も見えない「こだまこ」に本を読んでくれた。】
posted by 塾長 at 17:33| 教育・子育て