城南新報 2011年7月26日の記事より

野良猫を見て思い巡らす 被災地支援の写真展 (宇治市役所)

ネコに優しい微笑みを浮かべる中川さん  宇治市役所1階ロビーで25日から『被災地支援のための写真展~東北の猫たち~』が始まった。29日(金)午後3時30分まで。
 市民の被災地の現実を知ってもらい、身近なところから支援などに取り組んでいくきっかけを提供するため、市教委が企画。知り合いで、京都市伏見区の写真家・中川こうじさん(49歳・ペンネーム)に写真展を依頼した。
 中川さんは戦場カメラマン時代、難民キャンプで見た子供たちの瞳と野良猫の目が一緒であることに気付いた6~7年前から、平和への願いを込めて野良猫を撮り続けている。これまでに撮影した野良猫は700~800匹。動物愛護団体、子供の支援をしている団体などの要請で年間5~6カ所の写真展を開いている。
 撮影ポイントは宮城県石巻市の沖合いにある田代島。中川さんによると、田代島は人間100人に、野良猫200匹。ここでは野良猫が人間と同じ命であり、島民同様に宝と位置付けられて大事にされており、継続して撮影してきた。
 今回は被災前後の写真41点を展示。中川さんは「被災後、野良猫の目が恐怖で怯えている。人懐っこかった野良猫も、人を怖がり、物陰に隠れるようになった」と変化を説明。大津波から生き残った野良猫の目を市民に見てもらうことで被災地をはじめ、世界の紛争地にいる子供たちに関心を持ってもらい、復興支援や平和の在り方を考えてもらう。






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