新種・丹波竜:学名決まる 国内発見で5例目

毎日新聞 2014年08月12日 12時21分(最終更新 08月12日 12時56分)

新種と認定されたタンバティタニスの化石の特徴を説明する三枝春生主任研究員=兵庫県立人と自然の博物館で2014年8月7日、栗飯原浩撮影
新種と認定されたタンバティタニスの化石の特徴を説明する三枝春生主任研究員=兵庫県立人と自然の博物館で2014年8月7日、栗飯原浩撮影

 兵庫県立人と自然の博物館は12日、2006年に兵庫県丹波市の白亜紀前期の地層(約1億1000万年前)で見つかった竜脚類の恐竜「丹波竜」の化石が新属新種と認められ、学名を「タンバティタニス・アミキティアエ」と命名したと発表した。12日付のニュージーランドの国際学術誌「ズータクサ」の電子版に論文が掲載された。国内発見の新属新種の恐竜は5例目。

 学名は、発掘地名の「丹波」とギリシャ神話の女性の巨人「ティタニス」、さらに発見者で地元の地学愛好家2人の「友情」を意味するラテン語を組み合わせた。

 博物館は07年から発掘調査し、頭部、腰や尾の骨の化石など、形のはっきりしたものだけでも計約100点を発見した。論文ではうち約60点の化石を分析。尾にあるY字形の骨がこれまでに見つかった竜脚類に比べて約1.5倍長く、頭の骨の突起の形や長さなど、八つの固有の特徴があることから新属新種とした。

 この地層からは丹波竜1体のほか、ティラノサウルス類、角竜や鳥脚類、カエル、国内最古級のほ乳類の化石なども見つかっている。博物館の三枝春生主任研究員は「竜脚類の進化を明らかにするうえで、世界的にも重要な化石。さらに研究を進めたい」としている。【粟飯原浩】

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