August 12, 2014
ボリビアで最近、金色のコウモリが発見され、触れたすべてのものを黄金に変える力を授かったギリシア神話のミダス王にちなみ、Myotis midastactusと命名された。
今年7月に「Journal of Mammalogy」誌に発表された研究によると、このコウモリは黄色い色をしているが、それまで金色でない同属の別のコウモリと同種と間違えられていた。
ブラジル、リオデジャネイロのオズワルド・クルーズ財団(Fundacao Oswaldo Cruz)の生物学者、リカルド・モラテリ(Ricardo Moratelli)氏の率いる研究チームが博物館所蔵の標本を比較し、別種であることがわかった。
同氏によると、このコウモリはボリビア中央部の熱帯サバンナ地域だけに生息すると考えられているが、なぜこのような特殊な毛の色をして・・・
今年7月に「Journal of Mammalogy」誌に発表された研究によると、このコウモリは黄色い色をしているが、それまで金色でない同属の別のコウモリと同種と間違えられていた。
ブラジル、リオデジャネイロのオズワルド・クルーズ財団(Fundacao Oswaldo Cruz)の生物学者、リカルド・モラテリ(Ricardo Moratelli)氏の率いる研究チームが博物館所蔵の標本を比較し、別種であることがわかった。
同氏によると、このコウモリはボリビア中央部の熱帯サバンナ地域だけに生息すると考えられているが、なぜこのような特殊な毛の色をしているのかは明らかでない。
同地域に住む他の2種のコウモリは毛の色がこの新種よりもずっと濃く、同じような止まり木に見られることから、カムフラージュのためではないだろうとモラテリ氏は述べている。
他にも“ミダスタッチ”の祝福を受けた生物にはこんな例がある。
◆ゴールデンライオンタマリン
ブラジル東部の熱帯雨林沿岸の環境が破壊され、そこに生息していたゴールデンライオンタマリン(Leontopithecus rosalia)は動物園でよく見られるようになった。しかし、国際自然保護連盟の絶滅危惧種リストに上がったこのサル目は、自然への再導入が成功している。
ライオンのたてがみのような光沢のある毛が、黒い、いたずらっぽい顔のまわりを覆っていることから、ゴールデンライオンタマリンと名付けられた 。熱帯の太陽に曝され、天然の黄色い色素であるカルチノイドを豊富に含んだ餌を好んで食べることから、毛が黄金色をしているのかもしれない。
◆モウドクフキヤガエル
英語で“黄金毒矢ガエル(Golden Poison Dart Frog)”と呼ばれる南米のモウドクフキヤガエル(Phyllobates terribilis)は、金色の不気味な光を放ち、敵を威嚇するこのカエルは、心臓発作や呼吸困難をもたらす強力なアルカロイド系神経毒を皮膚に持つ 。
モウドクフキヤガエルの毒は人間を含めた大型動物にさえ致命的で、コロンビアの先住民族が狩りに使う吹き矢の先に塗っていたことで有名だ。
◆キンイロコガネ
英語で“宝石コガネ(jewel scarab)”と呼ばれるChrysina属の一部のコガネムシは、金属のような玉虫色に光る(日本では、似たような金属的光沢を持つ別属の種なども含め、キンイロコガネあるいはプラチナコガネと呼んでいる)。なかでも、コスタリカのChrysina aurigansは純金と言いたくなる輝きを見せる。
この希少な美しい金属的光沢は、外骨格を形成する物質、キチンが特殊な構造の層を作ることによる。
この層は外側になるにつれ薄くなり、 太陽光を屈折して反射し、宝石のような光沢を生み出す。皮肉なことに、その輝きのおかげで雨に濡れた熱帯の生息地で金色のコガネムシを見つけるのは困難だという。
◆金色の魚
魚類には「ミダスタッチ」の祝福を受けているものが多い。淡水魚のドラド(Salminus brasiliensis)やシイラ(Coryphaena hippurus)、カリフォルニアゴールデントラウト(Oncorhynchus mykiss aguabonita)、そしてもちろんキンギョ(Carassius auratus auratus)もそこに加わる。
これらの魚の鱗の金属的な光沢は皮膚下にある結晶構造をした色素が光を反射することによるもので、体を光らせて捕食者の目をくらませる。
Photograph by Dr. Marco Tschapka