イラク 政治対立解消のめど立たず8月12日 22時03分
イスラム過激派組織と政府軍との戦闘が続くイラクで、新しい首相候補に指名されたアバディ氏は組閣に向けた協議を始めましたが、現職のマリキ首相は退陣を拒否する姿勢を崩さず、政治対立が解消するめどは立っていません。
イラクではイスラム過激派組織の勢力の拡大を招いたとしてマリキ首相に対し退陣を求める声が強まり、マスーム大統領は11日、新しい首相候補に国民議会の副議長でイスラム教シーア派のアバディ氏を指名しました。指名された候補は30日以内に内閣を発足させることになっていて、地元メディアはアバディ氏が組閣に向けた協議を始めたと伝えています。
アバディ氏はシーア派だけでなく一部のスンニ派やクルド人勢力からの支持も取りつけていて、閣僚ポストの配分などを巡って交渉を進めるものとみられます。
これに対し、マリキ首相は、「指名は憲法違反だ」として最高裁判所に訴えを起こし、退陣を拒否していて、首都バグダッドでは首相の支持者が抗議デモを行うなど状況は緊迫しています。
一方、過激派組織はアメリカ軍の空爆の支援を受けたクルド人部隊などとの戦闘を続けていて、11日には、バグダッドの北およそ100キロのジャラウラを制圧しました。
アメリカ政府などは過激派組織に対抗するため宗派や民族の違いを越えた挙国一致の政権を早急に発足させるよう求めていますが、政治的な対立が解消されるめどは立たず、混乱が深まるおそれも指摘されています。
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