Kリーグ:巨大スタジアムは閑古鳥、危機の韓国サッカー

2011年の八百長問題が致命的影響
チームの自助努力も不十分
スター選手の海外流出で国内リーグのレベル低下

■本当の危機はすぐ目の前に

 今後はこれまで以上に厳しい状況が訪れる可能性も高い。まず、これまでリーグの人気を支えてきたスター選手たちの海外進出、とりわけ中国や中東などのリーグへの進出が相次いでいる。その上すでに欧州に進出した選手も含めれば、代表チームレベルの選手を国内で見るのはますます難しくなっている。

 これといった収入源も見いだせないまま、厳しい経営を続けざるを得ないチームの事情と、より良い待遇を求める選手たちの事情が食い違っていることもあり、今の状況はこれからさらにひどくなりそうだ。

 チームを去った選手たちに代わり、新たにファンの注目を集める若手選手の登場も期待通り進んでいない。現在、1部と2部に所属する24チームはどこもプロ連盟の勧告に従い、ユースのクラブチームを運営している。しかしそのほとんどが地元の学校にあるサッカー部を傘下チームとして運営するレベルにとどまっている。またクラブ傘下のチームであっても、体格面での成長が不十分な低学年の児童・生徒は試合にほとんど出られないのが実情だ。世宗大学のイ・ヨンス教授(KBSサッカー解説者)は「孫興民(ソン・フンミン、21)=レバークーゼン=は正式なサッカー教室などに通わず、父親から基本技を学んだ。この事実は韓国サッカーの現実を如実に示している」とした上で「才能ある若い選手を育てる方法や、マーケティングなどで革新的な手法を取り入れなければ、サッカーが国民の頭の中から消えるという本当の危機がやって来るかもしれない」と警告した。

孫章薫(ソン・ジャンフン)記者
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