■失われた10年
韓国サッカーは今回のブラジルW杯で、1998年のフランス大会以来1勝も挙げられずに終わった。2002年の韓日大会でのベスト4神話、10年南アフリカ大会における自国開催以外での決勝トーナメント進出などの快挙を知る国民は、完全に変わってしまった韓国サッカーに大きく失望した。危機を告げる警告も今回のW杯が開幕する前から、韓国サッカーの根幹であるKリーグですでに表面化していた。FCソウルや水原サムスンなど一部の人気チームを除くと、ファンの減少もかなり前から数字に表れていた。ドイツのブンデスリーガが観客の熱い思いに支えられ、10年前の不振から世界最強に上り詰めたのとは正反対の道をKリーグは進んでいるのだ。
Kリーグは02年以降、表面的には成長を続けている。02年に10チームだったプロチームは14年に1部と2部を合わせて24チームに増えた。W杯の開催を受けて近代的なスタジアムが各地に10カ所建設されるなど、インフラ整備も進んだ。ところがこのように規模は大きくなったが、リーグそのものの実力を高めるための努力は不十分だった。リーグにおける昇格・降格方式の導入は一部チームの反対で先送りとなり、リーグの運営方式は何度も変わった。しかも11年には八百長問題でリーグ存亡の危機にまで追いやられた。その影響で12年からようやく昇格・降格方式が導入され、各チームはファンサービスにも力を入れ始めた。中には選手たちが地元のマンション自治会にまで直接足を運ぶケースもあったが、一度離れかけたファンの心をつかむまでには至っていない。