数学分野の世界的学術機関「国際数学連合」の次期総裁に、京都大学数理解析研究所の森重文教授(63)が選出された。日本人では初めてで、任期は2015年1月から4年間。11日に韓国で開かれた総会で決定し、12日、同研究所が発表した。

 国際数学連合は、「数学のノーベル賞」といわれる「フィールズ賞」を発表している。

 同研究所によると森教授は名古屋市出身。京都大学理学部卒業後、米ハーバード大助教授、名古屋大学教授などを経て、1990年から現職。代数幾何学の第一人者で、90年にフィールズ賞を受賞。2004年には自然科学の分野で優れた業績をあげた研究者に贈られる「藤原賞」を受賞している。

 総裁就任にあたり、森教授は「事の重大さに身が引き締まる思い。アジアを始め世界中の多くの新興国で数学が発展していますので、その振興にも寄与したい」とコメントを出した。