挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
夏の思ひ出 作者:諏訪実

初体験

「今日は、パパとママいないの。うちに遊びにきて」
 あたしは蒼野紗々。授業中に恋人の遊佐貴人へラインを送った。
 スマホの振動で、貴人がラインに気付く。
「わかった。行く」
 『YEAH!』と、アニメスタンプが送られてきた。
 喜んじゃって。男の子って単純。

 放課後、あたし達は一緒に帰った。
 学校の近くでは手を繋がなかったけど、電車の中では手を繋いでた。
 これからどうなるのか、あたしは期待と不安で胸がドキドキしてた。
「あの…」
「ん?」
「ううん、なんでもない」
 なんだか言葉が見つからない。
 顔が火照る。身体が震える。まだ電車の中なのに。あたし、興奮し過ぎ。
 ここでキスしたい。でも、流石に電車の中ではヤバいよね。

 電車を降りて、改札を通り、ふたりで手を繋いで、あたしの家まで一緒に歩いた。セミが鳴いている。
「あたし、プレステ3用のモンハン買ったんだ。一緒に遊ぼうよ」
「それ、僕もやってみたかったんだ!」
「グラフィックがハイレゾでPSPとは全然違うんだよ」

 あたしの家に着いて、玄関の鍵を開けた。
「どうぞ」
「お邪魔します」
 うちは二階建ての平均的な住宅だ。
「あたしの部屋は二階なの」
「そういえば、紗々の家に来るの初めてだね」
「うん」
 あたしが先に階段を上がり、自分の部屋のドアを開ける。
「へぇ~、こういう部屋に住んでるんだ~!」
 貴人が歓声をあげる。
 あたしの部屋は六畳間の洋室。床はフローリングで絨毯が敷いてある。
 32インチの液晶テレビにゲーム機が何台か繋がってる。
 スピーカーはBOSEのソロTVサウンドシステムをテレビの下に敷いている。
 本棚はゲームソフトとゲーム雑誌と少女漫画ばかり。
 問題集や参考書は申し訳程度しかない。
 机の上に赤いノートパソコンが一台。
 壁に貼られたクリップボードには、所狭しと何枚も友達と一緒に写った写真が貼ってある。変顔や爪見せピースの写真もある。
 部屋の隅には、ぬいぐるみが山になってる。貴人と一緒にTDLに行ったときに買ったるいぐるみもある。
 ベッドの上にも、いくつかぬいぐるみがある。
 あたしはテレビのスイッチを入れて、プレステ3を起動した。
 モンハンのオープニング画面が映る。
「飲み物もってくるから、ゲームして待ってて」
 あたしは一階のキッチンの冷蔵庫から午後ティーをふたつのコップに注ぎ、お盆に載せて階段を昇った。
 部屋に着くと、貴人がモンハンに夢中になってた。BGMと効果音が部屋中に鳴り響いてる。流石BOSEのスピーカーは音がいい。
「お茶どうぞ」
 返事がない。
「貴人!」
 ようやく、貴人が振り返った。
「お茶どうぞ」
「うん」
 貴人がゲームをポーズにしてお茶に手を伸ばす。
 ドラゴンの卵を盗むクエストの途中だったみたい。
 あたしは午後ティーをひとくち飲んで、モンハンの続きを始めた。
 しばらくしたら、貴人が後ろから抱きついてきたけど、あたしはそのままにしておいた。
 貴人の手が前に回って、あたしのおっぱいをセーラー服の上から揉む。
 じんわりと快感が伝わる。
「ちょっとぉ、ゲームできないじゃない」
 貴人の手がセーラー服の裾から中に潜り込んできた。ブラを上にずらして、直接おっぱいを揉み始める。乳首を指でコリコリされる。興奮して乳首が立ってきた。はぁはぁと息が荒くなる。はじめての快感にアソコが濡れる。
 あたしはもう、ゲームはどうでもよくなってきていた。
 あたしの腰の辺りに固いモノが当たってる。これ、貴人の…?
「貴人のえっち」
 あたしは肩越しに振り返って、貴人を睨みつけた。
 と思ったら、貴人が身を乗り出してキスしてきた。口の中で、ぬちぬちと舌が絡まる。同時におっぱいも揉まれてる。ジンジンと快感に痺れる。
「ばか」
 あたしはゲームをセーブして、プレステ3の電源を切った。
「恥ずかしいから、むこう向いてて」
 そう言って、あたしは制服とスカートとニーソを脱いでベッドに潜り込んだ。
「もういいよ」
 貴人も制服とズボンと靴下を脱いで、ベッドに入ってきた。
「あたし、初めてだから優しくシテね」
「わかった。僕も初めてだけど」
「知ってる」
 あたしは布団の中でクスクスと笑った。
「笑うなよ」
 そう言って、貴人がブラを外そうとする。ブラのホックを上手く外せないみたいだ。
 あたしは自分で背中のホックを外してブラを脱いだ。
 白い乳房が露わになる。乳首はピンク色だ。
「恥ずかしいから、あんまり見ないで」
「きれいだ」
「ばか」でも、悪い気はしなかった。
 貴人があたしの乳首を口に含んで、ペロペロと舌で舐め回す。
「あっ、あぁん」
 はじめての快感に、アソコから愛液が溢れ出し、ショーツに染みを作る。
「あっ、んっ、気持ちいい」
 あたしは貴人の背中に手を回した。
 貴人が、あたしの股間に手を伸ばし、割れ目をグリグリと弄る。
「あっ、痛いよ。もっと優しくして」
「ごめん」
「いいよ、初めてなんでしょ」
 貴人が、今度はもっとソフトにあたしのアソコを触る。
 ゾクゾクと快感に鳥肌が立つ。
「もう挿れても大丈夫だよ」
 あたしは布団の中でショーツを脱いだ。
 貴人もトランクスを脱ぐ。
「コンドーム持ってないけど」
「あたしも持ってない。いいよ、せっかくの初めてなんだから生で。その代わり、外に出してね」
「わかった」
 顔が赤くなってるのが自分でわかる。全身から汗が噴き出す。快感に全身がピリピリしてる。
 アソコから愛液が溢れて太ももを濡らす。
 あたし、もうすぐ処女膜、破られちゃうんだ。
(バイバイ、あたしのバージン)
 貴人のアレがあたしのアソコに押し付けられる。あたしのアソコはもうドロドロに濡れていた。陰毛までびっしょり濡れてる。
「あぁんっ」
 貴人のアレがアソコを上下に擦る。敏感な突起を刺激されて、ズキーンと電流のように快感が走った。
 はじめてだから、挿れる穴がわからないみたい。
 そのときだった。あたしのおなかの上に温かい液体が飛び散った。
「えっ?」
「出ちゃった」
 独特な精液の匂いがする。あたしは、自分のおなかの上の精液を指で掬って舐めてみた。苦いようなしょっぱいような不思議な味がした。
 貴人が泣きそうな顔をしてる。
「そんな顔しないで。気にしなくていいよ。一緒にシャワー浴びよ?」
 その日は、ふたりでシャワーを浴びて、そのまま何もせずに貴人は帰った。
 ロストバージンしなくて、ホッとしたような、チャンスを逃してもったいなかったようなフクザツな気分だ。
 あとは、どうにかしてコンドームを手に入れなきゃ…。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ